欧州マーケットダイジェスト・19日 独株最高値・ドル下げ渋り・ユーロ伸び悩み

(19日終値:20日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=145.04円(19日15時時点比▲0.13円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.88円(△0.52円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1230ドル(△0.0046ドル)
FTSE100種総合株価指数:8699.31(前営業日比△14.75)
ドイツ株式指数(DAX):23934.98(△167.55)
10年物英国債利回り:4.664%(△0.015%)
10年物独国債利回り:2.588%(▲0.002%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
4月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
(前年比)   2.2%       2.2%
4月ユーロ圏HICPコア改定値
(前年比)   2.7%       2.7%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは伸び悩み。前週末に米格付け会社ムーディーズが米国の格付けを引き下げたことを受けて、時間外のダウ先物や米国債が下落すると、「米トリプル安」が意識されてドルも売りが先行した。独長期金利が上昇したこともユーロ買いを促し、20時前に一時1.1288ドルと日通し高値を更新した。
 ただ、9日の高値1.1293ドルがレジスタンスとして意識されると失速した。NY市場に入り、現物のダウ平均が上げに転じたほか、米国債が下げ渋るとドルを買い戻す動きが活発化。独長期金利が低下に転じたことも相場の重しとなり、2時30分前には1.1225ドル付近まで下押しした。

・ドル円は下値が堅かった。週明けの欧州勢がドル売りで参入すると、東京午前に付けた144.81円を下抜けて一時144.67円まで下げ足を速めた。ただ、一目均衡表基準線が位置する144.27円がサポートとして意識されると下げ渋った。米国株や米国債相場が底堅く推移するとドルを買い戻す動きが広がり、145円台前半まで下値を切り上げた。
 なお、ボスティック米アトランタ連銀総裁は「米国債格下げは経済全体に波及効果をもたらす可能性。不確実性の見極めには、3-6カ月待つ必要がある。2大責務の内、インフレを警戒している」などと述べた。

・ユーロ円は上値が重かった。20時30分過ぎに一時163.38円と日通し高値を付けたものの、買い一巡後はじりじりと上値を切り下げた。ユーロドルの伸び悩みにつれた売りも出て、2時過ぎに162.84円付近まで下押しした。

・ロンドン株式相場は3日続伸し、3月20日以来約2カ月ぶりの高値で取引を終えた。時間外のダウ先物の下落が相場の重しとなり、売り先行で始まったものの、終盤持ち直した。ナショナル・グリッドやSSEなど公共事業株が買われたほか、ユニリーバやブリティッシュ・アメリカン・タバコなど生活必需品株が値上がりした。

・フランクフルト株式相場は3日続伸し、史上最高値を更新した。米格付け会社ムーディーズによる米国債格下げを受けて時間外のダウ先物が下落すると、独株にも売りが出た。ただ、現物の米国株相場が底堅く推移すると独株にも買いが集まり、終盤強含んだ。

・欧州債券相場は英国債が下落した一方、独国債が上昇した。

(中村)
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