ロンドン為替見通し=ユーロドル底堅いか、ユーロ圏と主要国では景気指数の発表

 本日、ロンドン市場ではユーロ圏と主要国の5月景気指数(PMI)速報値の発表が予定されている。4月はトランプ関税による貿易関連の不確実性やサービス業の縮小が響き予想以上に悪化したが、関税問題に幾分進展がみられたことや米中貿易戦争の激化懸念が和らいだことで5月は4月を上回る結果が見込まれている。

 欧州連合(EU)、ドイツの財政拡張で域内景気に回復期待が高まっていたが、トランプ米政権の関税政策で影を落としており、EUと米政権の関税交渉が大きなカギとなる。EUは今週、米政権に貿易協定案の修正版を提示したと伝わっている。今回の修正版には、新たなに国際的な労働権や環境基準、経済安全保障といった米国の関心事項を考慮した内容が含まれていると関係筋が明らかにしている。欧米の合意実現に関して依然として懐疑的な見方が多いが、今回の修正版はトランプ米政権との交渉に弾みをつけられるかどうか注目される。交渉が決裂した場合、EUの報復措置が警戒される。

 ユーロドルは4月に1.15ドル台後半と2021年11月以来の高値をつけた後、5月に入って1.10ドル台まで押し戻されたが、足もとでは1.13ドルを回復している。ユーロに買い材料があると言うよりドルの地合いが弱いからである。エスクリバ・スペイン中銀総裁は「最近のドル安・ユーロ高は通常では見られない反応で、われわれも驚かされている」と述べた。最近のドル安は「ドルの信認低下」の影響が大きく、ユーロがドル売りの受け皿にもなっている。トランプ政権の減税・歳出法案をめぐり財政赤字の拡大懸念が高まっており、4月に起きた「米国売り」が再燃し加速することも警戒される。

・想定レンジ上限
 ユーロドルは6日高値1.1381ドル、4月23日高値1.1440ドル。ユーロ円は日足一目均衡表・転換線163.68円、15日高値164.07円。

・想定レンジ下限
 ユーロドルは5日移動平均線1.1270ドル、日足一目均衡表・転換線1.1214ドル。ユーロ円は200日移動平均線161.47円、4月22日安値160.99円。

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