ニューヨーク外国為替市場概況・22日 ユーロドル、4日ぶり反落

 22日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは4営業日ぶりに反落。終値は1.1281ドルと前営業日NY終値(1.1331ドル)と比べて0.0050ドル程度のユーロ安水準となった。欧州時間発表の5月の仏・独・ユーロ圏サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値が予想を下回ったことを受けてユーロ売り・ドル買いが進行。NYの取引時間帯に入ると、足もとで進んでいた米国の「トリプル安(株安・債券安・通貨安)」を巻き戻す動きが活発化し、2時30分前に一時1.1256ドルと日通し安値を更新した。
 米議会下院はこの日、トランプ米大統領の看板政策である大型減税を盛り込んだ法案を可決。米財政悪化を巡る懸念から米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.6247%前後と2月12日以来の高水準を付けたものの、NY終盤には4.52%台まで低下した。

 ドル円は4日ぶりに反発。終値は144.01円と前営業日NY終値(143.68円)と比べて33銭程度のドル高水準だった。日本時間夕刻に一時142.81円と7日以来の安値を付けたものの、同日の安値142.42円や6日の安値142.36円がサポートとして働くと買い戻しが進んだ。21日(日本時間22日)の日米財務相会談で「為替水準に関する議論」が見送られたことを受けて、円安是正の思惑が後退したことも相場を下支えした。
 NY市場では5月米PMI速報値が予想より強い内容だったことが伝わり、円売り・ドル買いが優勢に。米国株相場や米国債相場の持ち直しとともにドル買い戻しも優勢となり、2時30分前に一時144.33円付近まで値を上げた。もっとも、東京時間につけた日通し高値144.40円がレジスタンスとして意識されると143.90円付近まで押し戻された。
 なお、主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議はこの日、「不確実性の高まりが世界経済や金融に影響を与えるとの認識を共有」「2017年5月の為替相場コミットメントを再確認」とした共同声明を採択して閉幕した。

 ユーロ円は続落。終値は162.45円と前営業日NY終値(162.79円)と比べて34銭程度のユーロ安水準。日本時間夕刻に一時161.81円まで売られた影響が残ったものの、NY市場に限れば下値の堅さが目立った。ドル円の持ち直しに伴う円売り・ユーロ買いが出て、4時30分前に162.60円付近まで下げ幅を縮めた。

本日の参考レンジ
ドル円:142.81円 - 144.40円
ユーロドル:1.1256ドル - 1.1345ドル
ユーロ円:161.81円 - 163.41円

(中村)
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