東京為替見通し=ドル円、トランプ米大統領のSNS投稿に要警戒か
23日のニューヨーク外国為替市場のドル円は、トランプ米大統領が来月からEUに関税50%の方針を示し、米アップルがiPhoneを米国内で生産しなければ、少なくとも25%の関税を払うことになる、と表明したことで、リスク・オフの円買い・ドル売りが優勢となり一時142.42円まで下落した。ユーロドルは、1.1375ドルから1.1298ドル付近まで下押ししたものの、欧米株相場の下げ渋りとともに1.1369ドル付近まで持ち直した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、ロンドン市場がスプリング・バンク・ホリデー、ニューヨーク市場がメモリアルデーのため休場で動きづらい展開が予想される中、引き続きトランプ米大統領の突発的なSNSへの投稿に警戒していくことになる。
先週末にトランプ米大統領が欧州連合(EU)に50%、米アップルに25%の関税賦課を突発的に警告したものの、今朝は、EUへの50%関税期限をこれまで通りに7月9日に戻しており、リスク・オン地合いとなっている。
赤沢経済再生相は、第3回日米通商交渉の後、「前回以上に率直かつ突っ込んだやり取りを行うことができた。関税措置の見直しを改めて強く申し入れた」と述べつつも、詳細は明らかにしなかった。そして、今週末の30日あたりに、ベッセント米財務長官との第4回日米通商交渉を予定しており、6月15-17日のG7サミットに合わせた日米首脳会談で「何らかの合意ができていれば、それは大変望ましいことだ」と述べた。そして、石破首相も、6月のトップ会談が交渉の節目になるとの認識を示している、と報じられている。
IMMシカゴ筋は、今年1月にドル円が155円付近で推移していた頃、円の売り持ちポジションから買い持ちポジションに転換し、152円付近では過去最大規模に拡大して、4月29日時点(※NY市場終値:142.33円)では179,212枚まで過去最大を更新していた。
5月6日時点(※NY終値142.45円)では、若干(-2,353枚)減って176,859枚。
5月13日時点(※NY終値147.48円)では、若干(-4,591枚)減って172,268枚。
5月20日時点(※NY終値144.51円)では、若干(-4,938枚)減って167,330枚。
シカゴ筋がドル売り・円買いのポジションに傾いた背景には、日銀の追加利上げ観測、米連邦準備理事会(FRB)の追加利下げ観測、トランプ関税を巡るドル下落観測や「マールアラーゴ合意」などのドル安誘導への思惑などがあったと思われる。
しかし、日銀金融政策決定会合では、トランプ関税の「不確実性」を理由にハト派的な据え置きとなり、米連邦公開市場委員会(FOMC)でも「不確実性」を理由に、タカ派的な据え置きとなっており、米英貿易協定の締結合意や米中貿易協議での進展を受けて、ドル売り・円買いのベクトルが後退しつつある。
さらに、G7財務相・中央銀行総裁会議や日米財務相会談では、2017年5月のG7声明が再確認され、「マールアラーゴ合意」の提唱者だったミラン米CEA委員長も、トランプ米政権によるドル安誘導を否定している。
(山下)
本日の東京外国為替市場のドル円は、ロンドン市場がスプリング・バンク・ホリデー、ニューヨーク市場がメモリアルデーのため休場で動きづらい展開が予想される中、引き続きトランプ米大統領の突発的なSNSへの投稿に警戒していくことになる。
先週末にトランプ米大統領が欧州連合(EU)に50%、米アップルに25%の関税賦課を突発的に警告したものの、今朝は、EUへの50%関税期限をこれまで通りに7月9日に戻しており、リスク・オン地合いとなっている。
赤沢経済再生相は、第3回日米通商交渉の後、「前回以上に率直かつ突っ込んだやり取りを行うことができた。関税措置の見直しを改めて強く申し入れた」と述べつつも、詳細は明らかにしなかった。そして、今週末の30日あたりに、ベッセント米財務長官との第4回日米通商交渉を予定しており、6月15-17日のG7サミットに合わせた日米首脳会談で「何らかの合意ができていれば、それは大変望ましいことだ」と述べた。そして、石破首相も、6月のトップ会談が交渉の節目になるとの認識を示している、と報じられている。
IMMシカゴ筋は、今年1月にドル円が155円付近で推移していた頃、円の売り持ちポジションから買い持ちポジションに転換し、152円付近では過去最大規模に拡大して、4月29日時点(※NY市場終値:142.33円)では179,212枚まで過去最大を更新していた。
5月6日時点(※NY終値142.45円)では、若干(-2,353枚)減って176,859枚。
5月13日時点(※NY終値147.48円)では、若干(-4,591枚)減って172,268枚。
5月20日時点(※NY終値144.51円)では、若干(-4,938枚)減って167,330枚。
シカゴ筋がドル売り・円買いのポジションに傾いた背景には、日銀の追加利上げ観測、米連邦準備理事会(FRB)の追加利下げ観測、トランプ関税を巡るドル下落観測や「マールアラーゴ合意」などのドル安誘導への思惑などがあったと思われる。
しかし、日銀金融政策決定会合では、トランプ関税の「不確実性」を理由にハト派的な据え置きとなり、米連邦公開市場委員会(FOMC)でも「不確実性」を理由に、タカ派的な据え置きとなっており、米英貿易協定の締結合意や米中貿易協議での進展を受けて、ドル売り・円買いのベクトルが後退しつつある。
さらに、G7財務相・中央銀行総裁会議や日米財務相会談では、2017年5月のG7声明が再確認され、「マールアラーゴ合意」の提唱者だったミラン米CEA委員長も、トランプ米政権によるドル安誘導を否定している。
(山下)