株式明日の戦略-大幅高スタートも急失速、あすは半導体株の動向に要注目

 28日の日経平均は4日ぶり小幅反落。終値は1円安の37722円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり792/値下がり763。レーザーテックやソシオネクストなど半導体株の一角が大幅上昇。買収に関する観測報道を材料に牧野フライスが値を飛ばした。メタプラネットが商いを伴って急伸。証券会社が投資判断を引き上げたQPS研究所がストップ高まで買い進まれた。

 一方、足元で日々の振れ幅が大きくなっているサンリオが5.6%安。三菱重工、川崎重工、IHIの防衛大手3社がそろって終盤に崩れて下落した。「IR Day」の説明会資料を公表した三菱電機が大幅安。ニューホライズンキャピタルによるTOBが不成立となったシンワワイズが急落した。

 日経平均は大幅高スタートとなったものの下落で終了。狙ったように引けにかけてマイナスとなった。ただ、米国株の買い材料を先取りして月曜、火曜と大きく上昇していただけに、きょうの失速が投資家心理の悪化につながる可能性は低い。一時的とはいえ38000円の節目を上回ったことで、5月13日につけた直近高値の38494円も射程圏内に入ってきた。

 本日、米国ではエヌビディアが決算発表を予定しており、時間外の反応があすの国内半導体株を大きく刺激すると思われる。日経平均は今週に入って動きが良くなっているだけに、ここで半導体株に強い買いが入れば上昇加速も期待できる。一方、半導体株が売られるようなら、38000円より上での買いづらさが意識される。このケースでは5日線(37424円、28日時点)上を維持できるかどうかが焦点となる。このところは防衛株や電線株に押され気味の感がある半導体株が、相場の主役に返り咲くことができるかどうか、あすの動向が大きく注目される。
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