NY為替見通し=米雇用統計前の関連指標を確認、加では金融政策の発表も

 本日のNY為替市場のドル円は、週末の5月米雇用統計を念頭に置きつつ、発表される経済指標を確認してゆく展開が見込まれる。

 経済指標について、本日は多数の発表予定がある中、まずは5月ADP全米雇用報告に注目したい。市場予想は11.2万人増と前月の6.2万人増から増加見込み。その後、5月ISM非製造業景況指数の発表を控えており、市場予想は52.0と前月51.6を上回る見通し。合わせて雇用関連指標にも注目であり、前月は49.0と2カ月連続で好不況の分岐点とされる50を下回った。いずれも雇用統計の思惑につながりやすく、ドル円はこれらの結果に神経質な反応となる可能性がある。そのほか、NY午後には米地区連銀経済報告(ベージュブック)の発表も控えている。

 また、要人講演では、ボスティック米アトランタ連銀総裁やクック米連邦準備理事会(FRB)理事の講演が予定されている。今後の金融政策や、インフレ・景気見通しについて言及があれば相場を動かす手掛かり材料になり得る。発言が伝われば内容を確認しておきたいところ。

 テクニカル面から見ると、昨日は抵抗と見られていた一目均衡表の雲の下限143.76円を上抜けたほか、前日の陰線を包む陽線が出現して抱き線となっていることからも、目先は142円台での底堅さを確認した格好となっている。雇用統計への期待が高まる指標結果が相次ぐようならば、基準線145.39円に向けての上伸もあるだろう。

 他方、カナダでは金融政策が発表予定。市場予想は3会合連続の金利据え置きとなっている。4月消費者物価指数がコアの伸びが加速したことで早期利下げ観測が後退しているもよう。前回の声明では、関税の影響で景気が後退する可能性に言及していた。今回の声明や総裁会見でどのような見解が示されるか確認しておきたい。


想定レンジ上限
・ドル円は、日足・一目均衡表の基準線145.39円
・カナダドル円は、先月12・13日高値106.26円

想定レンジ下限
・ドル円は、ピボット・サポート1の142.86円
・カナダドル円は、日足・一目均衡表の転換線104.29円


(川畑)
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