ロンドン為替見通し=ECB政策金利発表、今後の見通しで振れるリスクに留意

 ロンドンタイムは、欧州中央銀行(ECB)政策金利の発表イベントが控えている。事前予想では政策金利(主要リファイナンス・オペ金利)が現行の2.40%から、25bp(ベーシスポイント、1bp=0.01%)引き下げられ、2.15%になるとの見方だ。

 3日から4日かけては、1.14ドル台から1.13ドル半ばまでのいったん振るい落としを掛けたような売りフローがでた。これで、利下げを相当程度は織り込んだことも考えられる。大きな動きにつながらない可能性もあるが、再び1.14ドルまで戻している足もとの上昇幅を縮小する動きで、昨日安値1.1357ドルやテクニカル面での節目である日足一目均衡表・転換線1.1333ドルといった水準を見据えた調整が進むリスクにも一応留意しておきたい。

 基本的には、金融政策声明やラガルドECB総裁の会見を受けた今後の政策見通しの振れに上下する展開か。トランプ関税を巡る交渉が最終決着に行きついていないなか、予断を持たせないような内容が示される無難な対応が想定しやすい。

 ECBはここまで連続利下げを実施してきたが、今回の利下げ後の7月は金利引き下げをいったん休止すると見られている。トランプ関税の内容次第ではあるが、景気支援を意識した追加利下げがあるとしても、次回のスタッフ経済見通し公表と合わせて9月、さらに利下げするにしても、やはりその次のスタッフ見通しを確認しつつ12月との見方がある。

 マーケット参加者には、現状で主要な政策金利の1つとされている中銀預金金利2.25%が、すでにECBが1.75%から2.25%の間にあるとしている中立金利水準のレンジ上限に達していることに注視。今回の利下げで、同レンジ中程である中立金利ジャストとも推測できるところに達することに注目している向きもあるようだ。

 中立金利に達したかどうかの会見質疑応答も注視したい。そしてトランプ関税の影響次第で、9月や12月といった今後の利下げによって中立金利レンジを下回るところまで中銀預金金利などの水準を誘導することになるのか、といった示唆を探ることになる。


想定レンジ上限
・ユーロドル:本日NYカット分を含む大きめなオプションが観測される節目1.1500ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル:日足一目均衡表・転換線1.1333ドル

(関口)
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