NY為替見通し=米5月雇用統計を見極めつつ、トランプ米大統領の発言に要警戒か

 本日のNY為替市場のドル円は、トランプ米大統領の突発的な発言に警戒しながら、5月米雇用統計を見極める展開が予想される。

 昨日は、テスラ株がマスク最高経営責任者(CEO)とトランプ米大統領の関係悪化を受けて14%超下落しており、本日は和解の兆しがあるとの報道もあり、両者の発言には警戒しておきたい。

 5月米雇用統計の予想は非農業部門雇用者数が前月比+13.0万人で4月の同比+17.7万人から増加幅の減少、失業率は4.2%で4月と変わらず、平均時給は前月比+0.3%で4月の+0.2%から上昇、前年比+3.7%で4月の+3.8%からの低下が見込まれている。

 米国5月の雇用関連指標は、改善しているのは、ISM非製造業雇用指数(50.7)、ISM製造業雇用指数(46.8)、チャレンジャー人員削減予定数、シカゴ購買部協会雇用指数となっている。
 悪化しているのは、ADP全国雇用者数、消費者信頼感指数(労働市場格差指数)、新規失業保険申請件数、失業保険継続受給者数となっており、まちまちとなっている。

 ドル円の一目均衡表での注目水準は、転換線が144.20円、雲の下限が144.23円、その上には、基準線が145.39円、雲の上限が145.69円にあり、ドル円のポジションがショート気味であることから、ポジティブサプライズの場合の抵抗帯として念頭に置いておきたい。

 また、米財務省が昨日公表した「外国為替報告書」では、円安の要因として、主に日米金利差と金融政策への期待を反映していると言及しており、ベッセント米財務長官やトランプ米大統領による円安牽制発言にも警戒しておきたい。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、145.39円(日足一目均衡表・基準線)

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、142.53円 (6/5 安値)


(山下)
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