株式明日の戦略-大幅高で38000円を上回る、これより上が定着するかが焦点に

 9日の日経平均は大幅続伸。終値は346円高の38088円。6日の米国株が良好な5月雇用統計を受けて大きく上昇したことを好感して、寄り付きから200円を超える上昇。節目の38000円を上回った。場中は38100円台に乗せて上げ幅を400円超に広げると上値が重くなった一方、大きく失速することはなく、300円程度高い水準でもみ合う時間が長かった。後場は値幅が100円程度と一段とこう着感が強まったが、300円を超える上昇かつ、38000円を上回って取引を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆4600億円。業種別では医薬品、その他製品、銀行などが上昇した一方、パルプ・紙、鉄鋼、金属製品などが下落した。証券会社が目標株価を引き上げたセイコーグループ<8050.T>が大幅上昇。半面、上期の決算発表を延期すると発表したREVOLUTION<8894.T>が大幅に下落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり814/値下がり738。米国で大型グロース株が買われた流れを受けて、アドバンテストやソシオネクストなど半導体株が大幅上昇。ソフトバンクGが5%近い上昇と強い動きを見せた。業績関連のリリースを材料にエターナルホスピタリティやエイチームHDが急騰。ファイナンスを実施してビットコインを購入する意向を示したメタプラネットが、一時ストップ高となるなど値を飛ばした。

 一方、日本製鉄やJFEHDなど鉄鋼株が全般軟調。トヨタ、ホンダ、日産自動車など自動車株に下落銘柄が多く、「関税リスク」を抱えている業種が弱かった。業績関連のリリースを材料にみらいワークスやアイルが大幅安。アイスペースが連日でストップ安比例配分と売りが止まらず、宇宙関連のSynspectiveも連日で大きく売られた。

 日経平均は大幅上昇。寄り付きから38000円を上回り、場中も38000円を下回ることなく推移した。直近で38000円を終値で上回った局面を振り返ると、3月26日の1営業日、5月13日~14日の2営業日、5月29日の1営業日となっており、長続きしていない。あすにあっさり38000円を割り込んでしまうようだと、「またこの辺りが天井か」という見方が強まる一方、38000円より上をキープし続けることができれば、「今回は違う」といった期待が高まってくる。米国株や為替次第ではあるものの、あすは節目の38000円を意識した動きが見られるかが注目される。
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