欧州マーケットダイジェスト・19日 株安・金利上昇・円安

(19日終値:20日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=145.51円(19日15時時点比△0.40円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=167.02円(△0.78円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1478ドル(△0.0022ドル)
FTSE100種総合株価指数:8791.80(前営業日比▲51.67)
ドイツ株式指数(DAX):23057.38(▲260.43)
10年物英国債利回り:4.530%(△0.035%)
10年物独国債利回り:2.522%(△0.025%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
スイス国立銀行(SNB、中央銀行)政策金利
      0.00%に引き下げ   0.25%
ノルウェー中銀、政策金利
      4.25%に引き下げ   4.50%
4月ユーロ圏建設支出
(前月比)   1.7%     ▲0.2%・改
(前年比)   3.0%     ▲1.3%・改
英中銀(BOE)、政策金利
     4.25%で据え置き    4.25%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は底堅い。イスラエルとイランの軍事衝突を巡り米国の軍事介入が警戒される中、「有事のドル買い」が優勢になると、20時過ぎに一時145.77円と5月29日以来の高値を付けた。節目の146.00円や同日の高値146.28円が目先レジスタンスとして意識されると145.35円付近まで伸び悩む場面もあったが、下押しは限定的。24時過ぎには145.76円付近まで強含んだ。
 なお、本日は米国市場がジューンティーンスで休場となったため、市場参加者は少なく商いは低調だった。

・ユーロドルは方向感に乏し展開だった。東京午後に一時1.1446ドルと日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり1.1487ドル付近まで持ち直した。ただ、東京午前に付けた日通し高値1.1489ドルが目先レジスタンスとして意識されると再び弱含んだ。イスラエルとイランの軍事衝突が激化し、中東情勢の更なる緊迫化が懸念される中、「株安・原油高・ドル高」の様相が強まった。1時過ぎには1.1455ドル付近まで下押しした。

・ポンドドルは英インフレ懸念がくすぶる中、3時過ぎに一時1.3460ドルと日通し高値を付けた。英中銀(BOE)はこの日、市場予想通り政策金利を現行の4.25%に据え置くことを決めたと発表。声明では「中東での衝突激化でエネルギー価格が上昇した」と指摘し、中東の地政学リスクが新たなインフレ要因として意識されていることが明らかにした。また、MPC議事要旨では「9人の政策委員のうち、ベイリー総裁を含む6人が金利据え置きに賛成し、3人が0.25%の利下げを主張した」ことが分かった。

・ユーロ円は強含み。ドル円の上昇につれた買いが入ると一時167.32円まで上昇し、17日に付けた昨年7月以来の高値167.61円に近づいた。ロンドン午後に入ると次第に値動きが鈍った。

・ノルウェークローネは下落した。ノルウェー中銀はこの日、政策金利を4.50%から4.25%に引き下げると発表。市場では金利据え置きが予想されていたため、クローネ売りで反応。対ユーロで一時11.5994クローネ、対ドルで10.1239クローネ、対円で14.40円まで値を下げた。なお、ノルウェー中銀は声明で年内の追加利下げを示唆した。

・ロンドン株式相場は反落。中東情勢が緊迫化するとの警戒感から、投資家が運用リスクを回避する姿勢を強めると株売りが優勢となった。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られたほか、HSBCやバークレイズなど金融株が値下がりした。半面、原油高を背景にBPやシェルなどエネルギー株が買われた。

・フランクフルト株式相場は3日続落。イスラエルとイランの軍事衝突が激化し、世界経済に悪影響を及ぼすとの懸念が高まる中、投資家が運用リスクを回避する姿勢を強めると売りが膨らんだ。個別ではザランド(4.36%安)やハイデルベルク・マテリアルズ(2.61%安)、アディダス(2.10%安)などの下げが目立ち、ザルトリウス(2.72%高)などを除く36銘柄が下落した。

・欧州債券相場は下落。ただ、本日は米債券市場が休場ということもあり、独国債相場は方向感に乏しい展開だった。

(中村)
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