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ロンドン為替見通し=ユーロ、米・EU協議に注目

 明日に欧州中央銀行(ECB)理事会の政策イベントを控え、トランプ米政権と欧州連合(EU)の関税協議に進展があるかどうかが注目される。

 本日の東京タイムではトランプ米大統領が日本と貿易交渉で合意に達し、日本からの輸入品に15%の関税を賦課すると明らかにした。そして、日本は米国の自動車輸入および追加の農産物輸入に対して「自国を開放する」ことになるとした。さらに、トランプ氏は「私の指示の下、日本は米国に5500億ドルを投資し、この投資による利益の90%を米国が受け取ることになる」とも述べた。

 この結果を受けてドル円は神経質な動きとなるも、方向感にはつながっていない。市場もこのディールの評価に迷っている。トランプ氏の発言通りであれば、8月1日に発動と示唆した25%の関税からは引き下げられるが、日本は「自動車と農産物市場の開放」の犠牲を払うことになる。トランプ氏の第2次政権前と比べ、日本は関税を引き上げられただけではなく、大きな犠牲を払うことになり、トランプ氏の対日交渉は大成功したと言えるだろう。

 果たして、EUと米政権の交渉はどうなるか。トランプ米大統領はEUの大半の輸出品に対し、8月1日から30%の関税を課すとしており、交渉は正念場を迎えている。交渉期限が迫る中でトランプ氏は強硬姿勢を維持しているが、EUは合意に至らなかった場合に備えた報復措置の強化を準備しつつ、行き詰まりを打開するために必要であれば米国側に有利な合意でも受け入れる用意があるとも伝えられている。EUとの交渉もトランプ氏が自画自賛するような結果になるかが注目される。

 ユーロドルは昨日、全般ドル売りが優勢となったこともあって1.1760ドルまで上昇し、本日の東京市場でも1.17ドル前半で底堅い動きとなっているが、関税が「米国売りの再燃」につながらない限り、ドル売りは加速する可能性は低く、ユーロドルは7月上旬同様に1.18ドル台を回復しても売り圧力が強いと見込んでいる。

・想定レンジ上限
 ユーロドルは2・3日高値1.1810ドルや1日の年初来高値1.1829ドル。ユーロ円は18日高値173.11円。

・想定レンジ下限
 ユーロドルは日足一目・転換線1.1659ドルや18日安値1.1592ドル。ユーロ円は11日安値170.81円。

(金)
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