ロンドン為替見通し=ウクライナ停戦合意の期限迫る、MPC委員の講演にも注目

 本日のロンドン為替市場では、米国がロシアに求めているウクライナとの停戦合意の期限が本日に迫るなか、ユーロドルは交渉の進展を見守る展開となるか。

 プロイセンの軍人だったクラウセヴィッツは戦争論で、「戦争は政治の一形態」としている。その考えに基づくと、停戦を迎えるなら自国に有利な状況でと考えるのは自然なことである。しかしながら、紛争から3年半経過した現在に至ってもウクライナとロシアの双方にとって納得できる落としどころが見つかっておらず、停戦合意は容易ではなさそうだ。

 そうした中、トランプ米大統領はロシアが停戦合意に応じなければ「ロシア製品を購入する国々に2次関税を課す考え」を示しており、その期限が本日となっている。ロシアにとって主要輸出産品である原油の取引を狙って圧力をかけることで、ロシアを停戦の話し合いのテーブルに着かせることができるか注目したい。もし停戦に向けての期待が高まることがあれば、地政学的リスクが和らいでユーロが買われる場面もあるだろう。ただし、交渉は難航が予想されるため、一進一退の状況となる恐れがある点は想定しておきたい。

 テクニカル面では、ユーロドルは週半ばから上向きで推移する5日移動平均線を下値に底堅く推移すると、昨日は先月28日以来となる1.17ドル台にあと一歩まで迫った。背景には当面は金利据え置きが見込まれる欧州中銀(ECB)に対し、9月利下げが急速に織り込まれた米連邦準備制度理事会(FRB)との、金融政策の方向性の違いがあるもよう。ただ、ユーロドルは、米国と欧州連合(EU)との関税合意による欧州の景況感悪化懸念もあり、積極的な買いにはつながっていない。本日はユーロ圏で主だった経済指標や要人発言が予定されていないこともあり、上昇しても勢いは緩やかになるかもしれない。仮に1.17ドル台に乗せられれば、先月24日の上伸を阻んだ心理的節目の1.18ドルが徐々に意識されると見る。

 英国では、ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミストが講演予定となっている。昨日の英中銀(BOE)理事会では、金融政策を決めるにあたり史上初となる2回目の投票が実施されるなど、BOE内部で意見の相違が明らかとなった。同氏は今回の会合で利下げに反対しており、今後のインフレや景気見通しについてどのような見解を示すか気になるところである。

 そのほか引き続き、トランプ米大統領によるSNSなどを通じた不意の発言には注意が必要である。


想定レンジ上限
・ユーロドル:7日高値1.1699ドル。超えると先月24日高値1.1789ドル
・ポンド円:先月31日高値199.52円

想定レンジ下限
・ユーロドル:7日安値1.1611ドル。割り込むと日足・一目均衡表の転換線1.1546ドル
・ポンド円:日足・一目均衡表の雲上限196.43円

(川畑)
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