東京為替見通し=ドル円、米国とイランの第2回和平協議への思惑から上値が重い展開か

 13日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、4月27-28日の日銀金融政策決定会合での利上げ観測が後退したことで159.86円まで上昇した後、トランプ米大統領が「イラン側から連絡があり、彼らは合意を強く望んでいる」と述べたことで、159.29円まで値を下げた。ユーロドルは1.1765ドルまで上昇した。ユーロ円は、欧州中央銀行(ECB)の利上げ観測の高まりと日銀の早期利上げ観測の後退で187.51円まで上昇し、1999年のユーロ導入以来の高値を更新した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、米国とイランの第2回和平協議への思惑から上値が重い展開が予想される。

 米国とイランが合意した2週間(※米国東部時間4月21日)の停戦期間での第1回和平協議は決裂したが、第2回和平協議が開催される可能性が高まっていることで、関連ヘッドラインを注視していくことになる。

 米政府関係者は「米国とイランの協議は続いており、合意に向けて進展している」と述べ、トランプ米大統領も「イラン側から連絡があり、彼らは合意を強く望んでいる」などと発言しており、第2回和平協議への期待感が高まっている。

 昨日開催された信託大会で、氷見野日銀副総裁が、ワシントンに出張中の植田日銀総裁の挨拶原稿を代読した。
 挨拶原稿では、「これまでのところ、わが国の経済・物価は、私どもの『展望レポート』で示してきた見通しに概ね沿って推移」として、引き続き利上げの方針を維持していることを改めて確認した。
 しかし、「中東情勢の緊迫化を受けて、国際金融市場では不安定な動きがみられるほか、原油価格も大幅に上昇しており、今後の動向には注意が必要」としたことで、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場での4月27-28日の日銀金融政策決定会合での利上げ確率は、先週までの60%台から40%前後まで低下した。

 日銀は、先月、景気・物価を熱しも冷ましもしない中立的な金利水準に関する推計結果を公表した。自然利子率の推計値を、「▲0.9%程度~+0.5%程度」の範囲と示唆したことで、2%の物価安定目標を加味した名目ベースの中立金利は、「+1.1%~+2.5%程度」になるため、以前の推計から下限が0.1%切り上がった。
 すなわち、現在の政策金利は0.75%で下限の1.1%とはまだ距離があり、緩和的な金利水準となるため、4月会合での利上げ観測を高めていた。
 しかし、中東情勢の不確実性から利上げ見送りが示唆されたことで、次々回の6月会合までの間に円安に振れた場合でも、日銀は容認したことになる。
 すなわち、ドル円が160円台に乗せて2024年7月の高値161.95円を目指すドル高・円安トレンドが出現した場合、円安の抑制措置は、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入だけとなる。



(山下)
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