NY為替見通し=ドル円、米・イラン和平協議の行方と介入警戒が焦点

 本日のNY為替市場のドル円は、トランプ米大統領が今週末にもイランとの暫定停戦が合意されると述べたことの続報や本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に警戒していく展開となる。

 トランプ米大統領は、イランとの協議が順調に進んでいるとして、早ければ今週末にも、イランが「文書に署名する寸前だ」と語った。また、イランとの協議で争点となっているイランの高濃縮ウランの備蓄については、「そう遠くない将来、われわれは手に入れるだろう」とも見方を示しており、イラン側の反応などの関連ヘッドラインに警戒しておきたい。

 ただ米国内では下院が昨日、議会が承認するまでイラン戦争の停止を求める民主党主導の戦争権限決議案を可決(賛成215票・反対208票)。共和党が多数派にも関わらず、4名が民主党と共に賛成票を投じた。イラン紛争への懸念の高まりを反映した動きであり、トランプ米大統領にとって打撃となる。

 ドル円は、米国とイランの和平協議の不透明感から、本邦通貨当局の防戦ラインと警戒されている160円台に乗せる場面があった。

 もっとも、円安をけん制する材料も意識されている。昨日の植田日銀総裁による講演では、中東情勢の影響を巡り物価上振れリスクをより警戒する姿勢が示され、6月15-16日の日銀金融政策決定会合での利上げ観測が高まっている。さらに、高市首相も昨日、「必要に応じ、いつでも適切に対応する」と発言。財務省による円買い介入観測と日銀による利上げ観測が、ドル円の続伸を抑制する可能性を高めている。

 本日は、前週分の米新規失業保険申請件数や失業保険継続受給者数が発表され、明日の5月雇用統計を前に足もとの労働情勢を確認する。また、複数のFRB高官(バーキン米リッチモンド連銀総裁、ボウマンFRB副議長、シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁)の見解から利上げの条件や時期を探ることになる。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処は、160.72円(4/30高値)

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処は、158.74円(5/25安値)


(山下)
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