NY為替見通し=米タカ派意識したドル買い優位か、162円付近の当局の動意注視

 本日NYタイムのドル円は、ウォーシュ新議長率いるFRBのタカ派スタンスを背景とした「平時のドル買い」が基調を支える一方で1986年12月以来、およそ39年半ぶりの高値水準(162円大台)を目前に控えた本邦通貨当局による円買い介入への警戒感が上値を抑制しそう。神経質な攻防を想定するが、今晩米市場はジューンティーンス(奴隷解放記念日)の祝日であるため、薄商いの中での突発的な値動きには警戒が必要となる。

 日米の金融政策を巡っては、日銀について市場は「利上げペースは半年に1回程度」との見方が大勢を占めているようだ。本日発表の本邦5月全国CPI(生鮮食料品を除く総合)が前年比+1.4%と前月分と同じ伸びにとどまり、早期追加利上げを促す内容とならなかった。

 一方、5月小売売上高など底堅い米経済指標や、連邦公開市場委員会(FOMC)で年内利上げの可能性が示唆されたことを受け、市場では年内2回の利上げを織り込み始めている。ウォーシュ新議長への政治介入懸念による「ドル離れ」の動きも、同氏のインフレ抑制への強硬姿勢によって和らいでおり、ファンダメンタルズに基づく根強いドル買い圧力が円安トレンドを強力に後押ししている。

 本日東京午後には、米イランの「イスラマバード覚書」の署名式中止・延期が伝わり、地政学リスクを意識したドル買いで一時161.46円まで上値を伸ばした。ただ、161円後半からは本邦当局による実弾介入への恐怖心から実需・投機筋ともに積極的な上値追いには慎重になっている。

 片山財務相は本日も「投機的な動きがあれば断固とした措置をとる」と強いトーンで牽制。三村財務官が過去介入に踏み切った2024年7月高値161.95円が視野に入りつつあるなか、高市政権による輸入物価抑制への措置として、いつ介入が行われてもおかしくない。

 今晩は米市場の休場に伴い市場の流動性が低下するため、実需の出入りや仕掛け的な動き、あるいは突発的な介入によって価格が跳ねやすい。欧州午後からNYタイムにかけて、下値のサポート水準を確認しつつも、上値を試す局面では乱高下への最大限の警戒が求められる。


・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、2024年7月3日高値で防衛ラインとして意識される161.95円。突破した場合、心理的節目の162.50円など1986年以来の大台が意識されるだろう。

・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、昨日ロンドンタイムの急落局面で押し目買いが入った160.48円が節目となりそう。

(関口)
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