週間為替展望(ドル/ユーロ)-ドル円、円買い介入や米イラン協議に注目

◆ドル円、円買い介入の可能性や米・イラン停戦協議の行方に注目
◆6月FOMC議事要旨や5月米貿易収支にも注目
◆ユーロドル、米国との金融政策の見通しの違いに注視

予想レンジ
ドル円   159.50-163.50円
ユーロドル 1.1100-1.1600ドル

7月6日週の展望
 ドル円は、1986年以来の162円台まで続伸したものの、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入への警戒感は払拭されておらず、神経質な展開が見込まれる。2日には、警戒感から大口のドル売りが観測されると162円台から160円台半ばまで急落する場面もみられており、162円が本邦通貨当局の防戦ラインなのか否かを見極めていくことになりそうだ。

 日本国内では、高市政権が7月中旬の閣議決定を目指す「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」の原案が明らかになったが、日銀の金融政策に関して「適切な金融政策運営が行われることも非常に重要」という文言が盛り込まれた。6月の日銀金融政策決定会合においても、政府を代表していた財務省と内閣府からの参加者からは利上げに反対する見解が示されている。追加利上げへの牽制が円売り要因となっている。

 米国では来週、7日に5月の貿易収支が発表される。予想は788億ドル赤字となっており、4月の559億ドルからの大幅増加が見込まれている。先日発表された財の貿易赤字は、地政学リスクによるサプライチェーン混乱を警戒した輸入業者による輸入前倒しにより27.4%増の1058億ドルまで拡大していた。そのため、米国の4-6月期国内総生産(GDP)に対する悪影響が警戒されている。また、8日にはタカ派的な据え置きが決定された6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が公表されるが、声明文が故グリーンスパン元FRB議長時代のように簡素化され、フォワードガイダンスは完全に削除。最後に「インフレ率は委員会が目標とする2%に比べて依然高い水準にあり、物価の安定を実現する」との一文で締められた。市場では9月FOMCでの利上げ観測が台頭している中、3、10、30年債の入札には注意しておきたい。イラン情勢に関しては、米国とイランが60日間の暫定的な停戦合意を締結し、実務者による協議が続いている模様。引き続き関連のヘッドラインには警戒が必要だろう。

 ユーロドルは、ウォーシュFRB議長がインフレ抑制に意気込みを示した一方、ラガルドECB総裁が急速な金融引き締めには否定的な見方を示したことから、ユーロ売り・ドル買い圧力が強まりつつある。6月のユーロ圏消費者物価指数速報値は前年比2.8%、米国のCPIは4.2%となり、欧米のインフレ率の乖離が確認されている。今後は、インフレの元凶となっているイランと米国の停戦協議の進展を睨みつつ、原油価格の動向を注視していくことになる。

6月29日週の回顧
 ドル円は、高市政権の「骨太の方針」の原案で日銀の追加利上げが牽制されたことなどから162.84円まで上昇したものの、6月米雇用統計が予想を下回る弱い数字となったことから週末の米国市場休場を前に調整売りが加速。一時160.64円まで売り込まれる場面もあった。

 ユーロドルは、ショートカバーが先行する展開。米雇用統計後には一時1.1473ドルまで買い戻されている。(了)

(執筆:7月3日、9:00)

(越後)
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