週間為替展望(ドル/ユーロ)-ドル円、米PMI速報値に注目

◆ドル円、米利上げ期待後退も根強い円売りが下値を支える
◆ドル円、PMI速報値で米景況感を見極め
◆ユーロドル、ECB理事会とPMI速報値を控えレンジ内でのもみ合いか

予想レンジ
ドル円   160.50-164.00円
ユーロドル 1.1300-1.1600ドル

7月20日週の展望
 ドル円は米国の早期利上げ観測が後退した影響から上値が重くなる一方、根強い円売り意欲に下値を支えられ、レンジの上限を緩やかに模索する方向性の定まりにくい展開となりそうだ。今週発表された6月米消費者物価指数(CPI)および卸売物価指数(PPI)が相次いで市場予想を下回る伸びにとどまったことで、米国の物価高への警戒感は和らいでいる。これにより、28-29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での政策金利据え置き確率は9割程度まで織り込まれており、これまで相場を牽引してきた米利上げへの期待感が剥落したことで、ドルの上値を追うバイアスは一時的に削がれた格好だ。

 一方で、日銀による追加利上げに対する具体的な手がかりが乏しいことも事実である。国内の財政懸念などを背景とした実需の円売り需要は依然として根強く残っており、日米の金利差やこうした実需動向に裏打ちされた下値の堅さは、週を通じて維持される見込みだ。さらに、市場のドル高地合い自体は完全には崩れておらず、ドル円が再び上値を試す展開となれば、政府・日銀による円買い介入への警戒感が改めて市場で高まりやすい。そのため、心理的節目である163円といった水準を意識した膠着感が強まるなか、レンジ幅を極端に広げることなく、徐々に上限を切り上げる歩みの遅い動きに終始する公算が大きい。

 こうした中、来週は24日に発表される米国の購買担当者景気指数(PMI)速報値に注目したい。足元の労働市場の冷え込みやインフレ鈍化に加え、実体経済の景況感悪化まで確認されるようであれば、ドル安が進む可能性がある。反対に、PMIが想定以上の底堅さを示した場合は、市場の据え置き期待が巻き戻され、再びドル買いが活発化する余地を残している。

 ユーロドルは、23日に予定される欧州中央銀行(ECB)の理事会と、週末24日の欧州各国のPMI速報値に注目が集まる。ECBは前回の会合で利上げに踏み切ったばかりであり、今回の会合では追加の政策運営に対して極めて慎重な姿勢を示す見通しである。そのため、政策決定自体がユーロ相場を大きく動かす要因にはなりにくく、市場への影響は限定的なものにとどまりそうだ。一方で、週末のPMI速報値が欧州景気の減速を示す内容となれば、追加利上げへの期待が後退し、主要国金利の低下とともにユーロの重石となる可能性がある。米国の引き締め期待後退に伴うドル売り圧力が下値を支えるものの、ユーロ独自の買い材料に欠けるなか、週を通じてレンジ内でのもみ合いの域を出ない推移が見込まれる。

7月13日週の回顧
 ドル円は162円を挟んで方向感がない。低調な米CPIを受けて161.62円まで下げる場面があったものの、押し目買い意欲も強い中で下値も限られた。
ユーロドルも値幅が限定的。米インフレ鈍化が相場を支え1.1483ドルまで上昇したが、一段と買いが強まる勢いは見られなかった。(了)
(執筆:7月17日、9:00)  
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。