東京為替見通し=ドル円、日米協調の円買い介入を受けて続落か

 31日のニューヨーク外国為替市場でドル円は157.28円まで下落した。本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入や、「米財務省は複数の銀行に対し、今日にも市場に介入する可能性がある。各行は『今後の措置』に備えるべきだと通知した」との報道などに反応した。ユーロドルは、米長期金利の上昇などを手掛かりに1.1455ドルまで下落後、ドル円の大幅下落を受けたドル売りで1.1547ドルまで反発した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、日米協調の円買い介入を受けて下値を探る展開が予想される。本日は、片山財務相が日米による円安是正の取り組みについて説明し、「日米財務相共同声明」を発表する予定と報じられており、その内容に注目しておきたい。

 7月30日と31日の本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入とニューヨーク連銀による「レートチェック」、そして、31日には、米財務省がニューヨーク連銀を通じ、複数の銀行に対し、円相場に介入する可能性があるとして、今後の措置に備えるように通知した後、ユーロ売り・円買い介入を断行したと、フィナンシャルタイムズ紙が報じている。

 1月のレートチェックに続き、7月末には円買い協調介入が実施されたことで、日米がドル高・円安の抑制に本格的に取り組む姿勢が改めて示されたとの見方が広がっている。直近の日米協調介入は、2011年のドル買い・円売り介入、1998年のドル売り・円買い介入まで遡る。1998年6月17日の円買い協調介入では、ドル円は144.14円から136.03円まで8.11円急落し、米国が8億ドル、日本が2312億円(約17億ドル)の円買いを実施した。

 こうした中、ベッセント米財務長官は30日に「円は著しく過小評価されている」と述べ、米財務省の「外国為替報告書」に盛り込まれた円安けん制の文言を改めて強調した。160円近辺には「ベッセント・シーリング」が形成されたとの見方も出ている。

 また、29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)と31日の日銀金融政策決定会合で政策金利が据え置かれたものの、ウォーシュFRB議長はタカ派色を弱め、植田日銀総裁はタカ派色を強めたことで、日米が協調して、金融面と為替面でドル高・円安抑制に乗り出したのではないかとの憶測が浮上している。

 ウォーシュFRB議長の会見後は、金融政策運営への不透明感が意識され、米株式・債券・ドルがそろって売られる「トリプル安」の展開となった。一方、植田日銀総裁は「基調的な物価上昇率が2%を超えて上振れるリスク」を強調し、「ビハインド・ザ・カーブ」を回避するため利上げペースを加速させる可能性や、円安が物価上昇リスクを高めるとの認識を示した。

 7月28日時点のIMM通貨先物の非商業(投機)部門における円のネット売り持ちポジションは16万3412枚(売り持ち26万4683枚、買い持ち10万1271枚)と過去最大規模となっている。円買い介入を待ち望んでいた円買いポジションは利益確定の機会を得た一方、巨額の円売りポジションは夏季休暇入りを前に手仕舞いを迫られる可能性がある。

 また、イランへの新たな攻撃を警告していたトランプ米大統領は、イランとの迅速な合意成立を条件に攻撃を見送る考えを示しており、本日もイラン情勢を巡るヘッドラインには引き続き警戒したい。




(山下)
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