東京為替見通し=ドル円、米中間選挙開票状況を見極めつつ通貨当局の円安抑制に要警戒

 3日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、9月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数や9月米製造業新規受注が強い内容となり、米長期金利の上昇に連れて158.77円まで上値を伸ばした。ユーロ円も177.69円まで上昇した。ユーロドルは1.11ドル台後半での小動きに終始した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、米中間選挙の開票状況を見極めながら、本邦通貨当局の円安抑制に警戒していく展開が予想される。

 ドル円は、米長期金利の上昇を背景に、日足一目均衡表・雲の上限の158.44円や200日移動平均線の158.63円を上抜けてきている。
 本日開票される米中間選挙の結果次第では、さらに続伸する可能性が高いことで、「日米通貨同盟」によるドル高・円安抑制措置に警戒していくことになる。

 片山財務相は、先日、「米中間選挙の結果を受けてマーケットに無秩序な動きや過度に投機的な動きがあれば、通貨当局として対応する。これまで日米の通貨当局が確認している覚書に沿って行動する。秩序ある為替市場であることが重要だ」と述べていた。

 中間選挙では、1)民主党が下院を制して「ねじれ議会」となるパターン、2)民主党が下院を奪還するものの、上院は50対50で拮抗するパターン、3)民主党が上下両院を制する「ブルーウエーブ」のパターン、4)共和党が現状の両院多数派を堅持する「レッドウエーブ」のパターンが想定される。

1)「ねじれ議会」の場合
 トランプ米大統領の財政拡張政策に歯止めがかかるため、財政政策への信認によりドル高要因となる。民主党は、医療、人工妊娠中絶の権利、住宅、人工知能(AI)データセンター問題などに関する法案を可決できるものの、上院共和党により阻止されるため、成立する可能性は低い。一方、2027年には債務上限や予算を巡る対立などで政府機関閉鎖の脅威が浮上する。

2)の場合
 上院での採決が50対50の場合、バンス副大統領が決定票を投じることができるため、上院の主導権は共和党が維持したままとなる。
 トランプ米大統領はバンス副大統領の決定票により、指名したFRB高官人事や最高裁判事の承認を得やすく、関税、移民、外交政策への制約も引き続き小さいことになる。

3)「ブルーウエーブ」の場合
 民主党が上下両院の委員会と議事運営を掌握し、FRB理事や連邦最高裁判事の人事では、トランプ米大統領の指名を阻止できるため、FRBへの信頼感が高まり、利下げ圧力が後退することで、ドル高要因となる。
 しかし、上院ではフィリバスター(議事妨害)を打ち切るために60票が必要であり、トランプ米大統領も拒否権を持つため、大型法案の成立は依然として容易ではない。
 トランプ米大統領は「米民主党が勝利すれば、私は『ミスター拒否権』になる。彼らが国を破壊するのを黙って見過ごすつもりはない」と警告している。

4)「レッドウエーブ」の場合
 リスク回避のポジションの手仕舞いが予想されるが、トランプ米政権によるイラン攻撃が再開される可能性に警戒しておきたい。

 昨日伝わった「米国とイランが核計画および凍結資産を巡り互いに譲歩へ向けた動きを見せた」との報道は、イラン側が否定した。一方で、仲介役のカタールが、双方の溝を埋め、米中間選挙後の再度の事態激化を回避するため、取り組みを強めている、と報じられている。さらに、トランプ米大統領が、イスラエル軍事支援を年末で終了し、ネタニヤフ首相と合意、との報道もあり、関連ヘッドラインには注目しておきたい。

(山下)
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