週間為替展望(ドル/ユーロ)-ドル円、米ハイテク株とCPIに注目
◆ドル円、米ハイテク株の下落続けば下値探る展開も
◆ドル円、米CPI次第で12月利上げに影響
◆ユーロドル、ドルの動向次第
予想レンジ
ドル円 155.00-159.50円
ユーロドル 1.1100-1.1350ドル
11月9日週の展望
来週のドル円相場は、米ハイテク株の動向、そして週末にかけて発表される10月の米消費者物価指数(CPI)の結果に大きく振り回される展開となりそうだ。
まず注目される米ハイテク株の動向については、足元で売りの一服が見られたものの、直近の米中間選挙における民主党圧勝を受け、AI(人工知能)向け大規模データセンターの建設計画に急ブレーキがかかるのではないかとの懸念が急速に強まっている。民主党側は、急速に増設されるデータセンターが地域社会の電気料金急騰を招いている点や、冷却用に消費される膨大な水資源、環境負荷、夜間の光害問題などを強力に問題視している。集積地とされるオハイオ州やバージニア州など主要各州で立地規制や電力供給制限、環境規制の強化に乗り出す動きを見せており、ハイテク大手による今後のAIインフラ投資計見直しを余儀なくされる可能性が出てきた。ビッグテック株を中心に株価下(株価低下)落が再燃した場合、市場全体のリスク回避ムードから米長期金利低下を伴うドル売り・円買い圧力が強まり、ドル円は下値を探る動きを余儀なくされそうだ。
もう一つの最大の焦点は、10月の米CPIである。前回9月分はエネルギー価格の上昇に加え、AI関連インフラの建設需要急増に伴う資材・人件費コスト高が意識され、インフレ率が予想を大きく上振れた。今回はその急上昇に対する反動減が出るかどうか。12月の利上げ観測は6割程度までやや後退しているものの、インフレ高止まりを示す強い結果となれば、12月利上げ観測が再び急速に織り込まれ、米長期金利の上昇とともにドル高を誘発するリスクが高い。
また、原油動向については、米中間選挙で民主党が勝利したことを受け、トランプ政権がイランへの攻撃を中止するとの期待感が急速に高まっている。バンス副大統領自身も今回の与党敗因の大きな理由として「イランとの戦争」に直接言及しており、政権が支持率回復に向けて対イランの和平協議を急速に進める可能性が浮上している。中東の地政学リスク後退に伴い原油価格の一段の下落が見込まれることは、ドル円の上値を重くする押し下げ要因として作用しそうだ。
ユーロドルは、主としてドルの先行きに依存する相場展開となりそうだ。米中間選挙を経た議会の「ねじれ」確定により、今後の政策運営を巡る政治的停滞やドルの信認低下が意識されれば、ユーロドルを下支えする材料となる。欧州域内の景気懸念はくすぶるものの、米インフレ指標の鈍化や原油安を受けた米金利の低下局面では、相対的なドル売りからユーロが上値を試す展開も十分に想定される。
11月2日週の回顧
ドル円は、9月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数など良好な米指標を受けて158.77円まで上昇したが、米中間選挙での民主党優勢報道で日本株が急落すると157.41円まで一転下落。株価反発で158円台後半まで持ち直したが、週後半は米ハイテク株の急落で再び157.26円まで売り圧力が高まった。ユーロドルは週明けから底堅く推移し、一時1.1273ドルまで上昇している。(了)
(執筆:11月6日、9:00)
(小針)
◆ドル円、米CPI次第で12月利上げに影響
◆ユーロドル、ドルの動向次第
予想レンジ
ドル円 155.00-159.50円
ユーロドル 1.1100-1.1350ドル
11月9日週の展望
来週のドル円相場は、米ハイテク株の動向、そして週末にかけて発表される10月の米消費者物価指数(CPI)の結果に大きく振り回される展開となりそうだ。
まず注目される米ハイテク株の動向については、足元で売りの一服が見られたものの、直近の米中間選挙における民主党圧勝を受け、AI(人工知能)向け大規模データセンターの建設計画に急ブレーキがかかるのではないかとの懸念が急速に強まっている。民主党側は、急速に増設されるデータセンターが地域社会の電気料金急騰を招いている点や、冷却用に消費される膨大な水資源、環境負荷、夜間の光害問題などを強力に問題視している。集積地とされるオハイオ州やバージニア州など主要各州で立地規制や電力供給制限、環境規制の強化に乗り出す動きを見せており、ハイテク大手による今後のAIインフラ投資計見直しを余儀なくされる可能性が出てきた。ビッグテック株を中心に株価下(株価低下)落が再燃した場合、市場全体のリスク回避ムードから米長期金利低下を伴うドル売り・円買い圧力が強まり、ドル円は下値を探る動きを余儀なくされそうだ。
もう一つの最大の焦点は、10月の米CPIである。前回9月分はエネルギー価格の上昇に加え、AI関連インフラの建設需要急増に伴う資材・人件費コスト高が意識され、インフレ率が予想を大きく上振れた。今回はその急上昇に対する反動減が出るかどうか。12月の利上げ観測は6割程度までやや後退しているものの、インフレ高止まりを示す強い結果となれば、12月利上げ観測が再び急速に織り込まれ、米長期金利の上昇とともにドル高を誘発するリスクが高い。
また、原油動向については、米中間選挙で民主党が勝利したことを受け、トランプ政権がイランへの攻撃を中止するとの期待感が急速に高まっている。バンス副大統領自身も今回の与党敗因の大きな理由として「イランとの戦争」に直接言及しており、政権が支持率回復に向けて対イランの和平協議を急速に進める可能性が浮上している。中東の地政学リスク後退に伴い原油価格の一段の下落が見込まれることは、ドル円の上値を重くする押し下げ要因として作用しそうだ。
ユーロドルは、主としてドルの先行きに依存する相場展開となりそうだ。米中間選挙を経た議会の「ねじれ」確定により、今後の政策運営を巡る政治的停滞やドルの信認低下が意識されれば、ユーロドルを下支えする材料となる。欧州域内の景気懸念はくすぶるものの、米インフレ指標の鈍化や原油安を受けた米金利の低下局面では、相対的なドル売りからユーロが上値を試す展開も十分に想定される。
11月2日週の回顧
ドル円は、9月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数など良好な米指標を受けて158.77円まで上昇したが、米中間選挙での民主党優勢報道で日本株が急落すると157.41円まで一転下落。株価反発で158円台後半まで持ち直したが、週後半は米ハイテク株の急落で再び157.26円まで売り圧力が高まった。ユーロドルは週明けから底堅く推移し、一時1.1273ドルまで上昇している。(了)
(執筆:11月6日、9:00)
(小針)
