週間為替展望(ドル/ユーロ)‐ドル円、9月米CPIに注目

◆ドル円、9月米CPIのサプライズに注意
◆ドル円、米長期金利の動向に警戒
◆ユーロドル、仏財政懸念と政治的不確実性から下値を探る展開か

予想レンジ
ドル円   156.00-160.00円
ユーロドル 1.1050-1.1300ドル

10月12日週の展望
 来週のドル円相場は、日米の金融政策決定会合を10月末に控えるなか、米国の主要経済指標や財政リスク、さらには混迷を極める中東情勢をにらみながらの展開となりそうだ。

 市場の関心は27-28日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けた判断材料に集まっており、なかでも9月米消費者物価指数(CPI)が最大の焦点となる。同指標の事前予想は前年比+3.6%と、8月の+3.4%から伸び率の加速が見込まれている。しかし、先に公表された8月米PCEデフレーターが伸び悩んだことや、9月雇用統計が低調な結果であったことを踏まえると、CPIが相当な上振れサプライズとならない限り、足元で20%程度にとどまる10月FOMCでの利上げ確率が大きく押し上げられる可能性は低い。

 米国の構造的な財政赤字問題も、長期金利の動向を通じてドル円の波乱要因になり得る。9月米財政収支の発表を控えるなか、2026会計年度の財政赤字は2兆ドルの大台突破が見込まれており、債務残高の累増に伴う米国債格下げへの警戒感がくすぶる。トランプ米大統領は景気回復による赤字削減を主張し、ベッセント米財務長官は国債発行を短期債へシフトさせる方針を示唆しているものの、財政規律への懸念が米長期金利の突発的な上昇を招けば、ドル円を一時的に押し上げる局面もありそうだ。

 また、サウジアラビアとイエメンの親イラン武装組織フーシ派との交戦激化など、難航する米イラン外交を背景とした地政学リスクの緊迫化は、原油価格の高騰を通じたインフレ懸念をもたらす一方で、リスク回避の円買い圧力を生じさせる二面性を持つ。

 国内では16日の全国信用組合大会における植田日銀総裁のあいさつ(内田副総裁代読)が予定されており、これら内外の材料が交錯するなかで、ドル円は下値をサポートされつつも神経質な値動きに終始する公算が大きい。

 ユーロドルはフランスの深刻な財政悪化と政治的不確実性を背景に、下落基調を継続する展開が予想される。フランス政府は歳出削減や増税を含む合計430億ユーロ規模の「2027年度予算案」を提示したものの、主要歳出の削減に対して議会からの猛反発は必至であり、法案可決へのハードルは極めて高い。2027年の大統領選挙を見据えて極右勢力が優勢となる政治情勢のなか、マクロン政権による12月末までの予算成立に向けた合意形成は困難を極める。こうした政治不全を映し、フランス国債利回りは20年ぶりの高水準へ急騰しており、独国債との利回り格差はギリシャ債務危機以来の記録的な水準にまで拡大しており、ユーロは下値を模索する展開を予想する。

10月5日週の回顧
 ドル円は157.44円から158.51円まで上昇したものの、200日移動平均線に上値を抑えられた。

 ドル高・円安の背景としては、米10年債利回りが2002年以来となる5.3624%まで上昇したこと、9月のGPIF会合で基本ポートフォリオの検証がなかったこと、植田日銀総裁が10月会合での利上げに言及しなかったことなどが挙げられる。

 ユーロドルは、フランスの財政不安や政治的不確実性から、1.1161ドルまで下落した。ユーロ円も一時176.22円まで下落した。(了)
(執筆:10月9日、9:00)

(松井)
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