週間為替展望(ドル/ユーロ)-ドル円、8月米CPIに注目

◆ドル円、8月米CPIに注目
◆日銀の大幅利上げや機動的な連続利上げ観測、GPIFのポートフォリオ変更にも注意
◆ユーロドル、利上げが見込まれるECB理事会や独州選挙結果に注目

予想レンジ
ドル円   153.00-158.00円
ユーロドル 1.1450-1.1750ドル

9月7日週の展望
 来週のドル円は、17-18日の日銀金融政策決定会合での大幅利上げ観測や機動的な連続利上げ観測が高まっていることに加え、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の基本ポートフォリオ変更の可能性という円買い材料などから、下値を探る展開が予想される。さらに、7日の米レイバーデー休場などを狙った本邦通貨当局による円買い介入の可能性にも引き続き警戒しておきたい。一方で、米国とイランの攻撃応酬再開を嫌気した原油価格の上昇や米長期金利の上昇基調などは、引き続きドル買い・円売り材料として下値を支える要因となる。

 ウォーシュFRB議長が、ジャクソンホール会合で物価抑制に向けた追加利上げの必要性に言及したものの、ウィリアムズNY連銀総裁やウォラーFRB理事は、15-16日の連邦公開市場委員会(FOMC)での政策金利据え置きを支持する発言をしていることで、フェドウオッチでの利上げ確率は50%程度まで低下している。11日発表の8月米消費者物価指数(CPI)が予想(前年比+3.4%)を上回って、インフレ圧力の持続が確認された場合には、FOMCでの利上げ観測が強まる公算が大きい。予想の範囲内だったとしても、足元のWTI原油先物価格が90ドル台に乗せてきていることは、FOMCでのインフレ懸念を高める材料となると思われる。一方で、米長期債利回りの上昇基調を受けて、米財務省による財政健全化の詳細への警戒感やベッセント米財務長官による日本の為替、金融、そして財政政策への介入懸念が、ドル円の上値を抑える要因として意識される。また、米国の連邦債務が40兆ドルを超えてきている中、財政健全化の内容が財政赤字削減の道筋を示す内容でなかった場合や米長期債入札が不調に終わった場合は、米国債売り圧力が強まり、米国債の格下げ懸念が高まることで、トリプル安の可能性には警戒しておきたい。

 ユーロドルは、ウクライナ情勢やイラン情勢を受けた有事のドル買い、エネルギー価格の上昇を背景に上値が重い値動きが見込まれる。欧州中央銀行(ECB)理事会では、中立金利のレンジ上限とされる水準への政策金利引き上げが見込まれており、注目ポイントは、今後の利上げスタンスとなる。ただ、ユーロ圏では異常気象による景況感の悪化懸念がくすぶる上、独仏での右派の躍進など政治的な不確実性がユーロの頭を抑える材料となっている。6日に投開票される独州議会選挙では、強硬右派政党「ドイツのための選択肢」が優勢となっており選挙結果に警戒したい。

8月31日週の回顧
 ドル円は、米国とイランの攻撃応酬の再開を受けて、WTI原油先物価格が92ドル台、米10年債利回りも4.81%台まで上昇したことから160.39円まで介入後の戻り高値を更新した。ただ、ベッセント米財務長官が植田日銀総裁との会談で9月日銀会合での利上げを改めて要請。タカ派の高田日銀審議委員が機動的な利上げを主張したことなどから一転155.30円まで急落した。ユーロドルは、米10年債利回りの上昇を受けて1.1566ドルまで下落した後、9月FOMCでの利上げ確率低下で1.1641ドルまで上昇した。ユーロ円は、185.75円から180.53円まで下落した。(了)

(執筆:9月4日、9:00)
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