週間為替展望(ドル/ユーロ)-ドル円、7月米CPIに注目

◆ドル円、7月米CPIが最大の注目
◆ドル円、日銀「主な意見」を見極め
◆ユーロドル、中東情勢やユーロ売り・円買い介入の再現にも警戒

予想レンジ
ドル円   156.50-159.50円
ユーロドル 1.1350-1.1650ドル

8月10日週の展望
 来週のドル円相場は、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入に警戒しながら、中東情勢と米国の経済指標を見極めて行く展開となりそうだ。

 イランと米国による協議が進展して合意への期待が高まれば、中東の地政学リスクが後退し、リスク回避姿勢の後退を背景にドル売り・円買いが優勢となる可能性がある。一方、協議が決裂した場合には緊張が再び高まり、有事のドル買いが強まることも考えられる。

 米国の経済指標では、7月消費者物価指数(CPI)が最大の注目材料となる。インフレ率が市場予想を上回れば9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ期待が高まり、米長期金利の上昇とともにドル買いが優勢となる可能性がある。一方、予想を下回る結果となれば、利上げ時期が先送りされることで、ドル売りにつながる展開が見込まれる。ウォーシュFRB議長は、「今後数週間に公表されるインフレ指標が強い内容となり、市場で利上げ観測が強まれば、政策金利を引き上げる用意がある」と述べている。また、7月小売売上高や8月ミシガン大学消費者態度指数速報値も米国景気の底堅さを確認する重要な材料となる。個人消費の強弱や期待インフレ率の動向がFRBの金融政策見通しに影響を与え、ドル円の値動きを左右することになりそうだ。

 ドル円はテクニカル面では200日移動平均線が中長期的な方向性を判断する重要な分岐点として意識されており、この水準を明確に上抜ければ買いが加速する可能性があるものの、同時に政府・日銀による日米協調での円買い介入の可能性が高まることにも警戒しておきたい。

 国内では、日銀金融政策決定会合(7月30~31日)の「主な意見」が公表される。委員の物価や賃金に対する評価、追加利上げに対する考え方が確認される見通しであり、タカ派的な内容が示されれば追加利上げ観測が高まり、円買い材料として意識されそうだ。逆に慎重な姿勢が目立てば、円買い圧力は限定的となる可能性がある。また、米国債の入札が予定されており、応札が低調となれば米長期金利の上昇を通じてドル買い要因となる一方、旺盛な需要が確認されれば金利低下を背景にドルの上値を抑える可能性があり、債券市場の動向にも注意を払いたい。

 ユーロドルは、中東有事のドル買いの強弱を念頭に置きつつ、米財務省が再びユーロ売り・円買い介入を行う可能性なども警戒しておきたい。8月という季節的な流動性低下も重なって、引き続き積極的な売り買いは限定的な範囲にとどまる可能性が予想される。

8月3日週の回顧
 ドル円は、日米協調の円買い介入を受けて、週明けには一時155.23円まで続落した後は、不透明な中東情勢を受けた有事のドル買いや日本の財政悪化を懸念した円売りにより、158円台半ばまで買い戻された。ユーロ円も先週末の米財務省によるユーロ売り・円買い介入を受けて、179.37円まで急落したものの、ドル円の反発につれて182円台半ばまで買い戻された。ユーロドルは、円主導の相場展開のなか1.1500ドルから1.1560ドルまでのレンジ取引にとどまっている。(了)
(執筆:8月7日、9:00)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。