週間為替展望(ドル/ユーロ)-ドル円、米雇用統計に注目

◆ドル円、FRB議長発言で米金利の先行き不透明感高まる
◆海外勢を中心に夏休み入りで流動性は低下、円買い介入に警戒
◆ユーロドル、有事のドル買いと材料難から上値の重い推移か

予想レンジ
ドル円   157.00-162.00円
ユーロドル 1.1350-1.1650ドル

8月3日週の展望
 来週のドル円相場は、週末8月7日に控える7月米雇用統計を注目イベントとして意識しつつ、底堅い推移を辿りそうだ。28-29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利の先行きに対する不透明感が高まった。ウォーシュ米連邦準備理事会(FRB)議長が前回の議会証言におけるタカ派的な姿勢から一転し、「私自身の判断としては、今は慎重に見極めつつ検討すべき時期にある」とハト派寄りとも受け取れるスタンスを示したことで、過度な米金利上昇観測は一旦後退している。しかし、市場の関心が週末の雇用統計へと向かうなか、労働市場の底堅さが確認されれば、再び米長期金利の上昇とともにドル買いが活発化する展開が予想される。

 また、8月に入り欧米投資家を中心に本格的な夏休みシーズンを迎える点には注意したい。市場参加者の減少に伴って市場の流動性が低下することから、基本的には主要イベントを前に方向感を欠いた小動きに終始しやすく、相場全体が動きづらくなる可能性が高い。しかしその一方で、取引量が薄い環境下では大口の注文や中東情勢を巡る突発的なニュースに対して過剰に反応し、想定外の値飛躍や急激な振れを伴うリスクも内包している。 

 その中東情勢に関しては、緊迫化の長期化が引き続きドル相場の強力な下支え要因として機能しそうだ。一時停止していた米軍による攻撃がわずか4日間で再開されたことで地政学リスクが改めて意識されており、原油価格の上昇に伴う有事のドル買い意欲は依然として収まる気配を見せていない。一方、30日の海外市場では、片山財務相ら政府高官による口頭牽制のトーンには目立った強まりが見られないなか、突然の為替介入が実施された模様。来週にかけても、市場における為替介入への警戒感は継続されそうだ。ただ、日米の金利差に着目した押し目買い意欲に支えられ、円売り・ドル買いの基本的な潮流は維持される公算が大きい。

 ユーロドルは、主軸であるドル相場の値動きに翻弄されつつ、引き続き上値の重い展開を余儀なくされそうだ。中東情勢の緊迫化を背景とした地政学リスクの高まりから、グローバルな資金逃避先としてのドル買い需要が足元で根強く存在しており、ユーロドルの戻りを抑え込む主要因となっている。また、欧州中央銀行(ECB)が慎重な金融スタンスを維持していることもあり、ユーロ独自の上昇要因に欠ける状態が続いている。米雇用統計という巨大なイベントを控えてドル主導の相場展開が強まりやすいなか、季節的な流動性低下も重なってユーロの積極的な買い戻しは限定的な範囲にとどまり、レンジの下限を探るような軟調な推移が見込まれる。

7月27日週の回顧
 ドル円は週前半には一時163.95円まで上昇したものの、節目の164円を前に上値は限られた。ハト派的なFOMCを受けて伸び悩む中、30日の海外市場では158円割れまで急落。政府・日銀による円買い・ドル売り介入が実施されたもよう。ユーロドルは1.13ドル半ばを下押し水準に、FOMCを受けて上昇。対円でのドル売りにつれて、一時1.1530ドル台まで買い戻されている。(了)

(執筆:7月31日、9:00) 
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