株式明日の戦略-4日続伸で75日線を突破、米グロース株の決算に要注目

 19日の日経平均は4日続伸。終値は173円高の26961円。東京市場が休場の間の米国株が均してみれば強かったことから買いが優勢。寄り付きから200円を超える上昇で、27000円台に乗せた。節目より上は重く、高寄り後は急速に上げ幅を縮小。しかし、マイナス圏に沈むかというところで切り返すと、再び27000円近辺まで値を戻した。ただ、盛り返した後も27000円より上では戻り売りが上値を抑えた。先高期待も先安への警戒も高まらない中、次第に動意自体が乏しくなり、後場は26900円~27000円レベルでの小動きが続いた。3桁の上昇ではあったものの、終値では27000円を下回った。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆4200億円。業種別では鉱業、海運、ゴム製品などが上昇した一方、電気・ガス、その他製品、医薬品などが下落した。海運株が人気化しており、中でも川崎汽船<9107.T>が7%を超える大幅上昇。反面、風車の世界大手が日本への参入を見直すとのニュースが出てきたことを受けて、風力発電に対する期待が後退してレノバ<9519.T>が象徴的に売り込まれた。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1161/値下がり617。EV向けの省エネ自動運転センサーを開発すると報じられたソニーGが大幅上昇。原油価格上昇にINPEXや石油資源開発が強い反応を示した。川崎重工や三菱重工など防衛関連が買いを集め、東邦亜鉛や住友鉱山など非鉄株が軒並み高。今週に入って米国の長期金利が大きく上昇したことから、三菱UFJや三井住友など金融株にも資金が向かった。業績関連のリリースを材料に日本国土開発や北の達人が値を飛ばし、ベクトルがストップ高となった。

 一方、任天堂、リクルート、東京エレクトロンなど、グロース株の一角が下落。市況関連が買われてリスク選好ムードが強まる中、薬品株や食品株、電力株などディフェンシブ系セクターの銘柄が大きく売られた。特許係争に関するリリースがあった第一三共は3%近い下落。決算を材料に大きく売られた銘柄が多く、今期も営業赤字の見通しとなった串カツ田中や、今期見通しを非開示とした三益半導体が急落。通期の利益見通しを引き下げたモビルスや、3Qが最終減益となったグッドパッチが場中は値がつかず、ストップ安比例配分となった。

 日経平均は4日続伸。終値(26961円)と寄り付き(27003円)の価格差は40円程度しかなく、米国要因で上げた後は、ほぼニュートラルといった1日であった。7月FOMC(7/26~27)を通過するまでは、きょうのように場中は主体性のない日が続くかもしれない。75日線(26851円、19日時点)を難なく超えてきたことは明るい材料。6月20日に25771円まで下げた後は下値を切り上げているだけに、大崩れすることなく値を保つことができるかが注目される。米国では本日ネットフリックス、あす20日はテスラの決算発表が予定されている。米株市場がこれらの材料を波乱なく消化できるかが目先の焦点となる。7月FOMCでは1%利上げの可能性が低下しており、決算反応が良ければグロース株を見直す流れが強まる展開も期待できる。
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。