東京為替見通し=ドル円、FRB当局者らのインフレ懸念発言で堅調か

 昨日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3日続伸。8月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数が予想を上回ったことや米連邦準備理事会(FRB)高官らのインフレ警戒を改めて強調する発言を受けて135.90円まで強含んだ。FRB高官らの発言を受けたドル高やユーロ圏景気悪化懸念を背景としたユーロ売りで、ユーロドルは1.0080ドルまで下押した。ユーロ全面安となった流れに沿ってユーロ円は一時136.56円まで値を下げた。

 インフレや景気の先行きに対する不透明感が強く、ドル円は神経質な動き。米経済指標や米中銀当局者らの発言で一喜一憂する相場展開が続いているが、先週に続いて昨日も米連邦準備制度理事会(FRB)当局者らからインフレに対する強い警戒感と大幅利上げを支持する発言が伝わっている。予想比下振れの7月の米消費者物価指数(CPI)を受けて高まっていた「9月のFOMCで0.50%の利上げ」との思惑が後退している。最近のFRB当局者らのタカ派寄り発言は、FRBが金融引き締めを続ける意向を示しているにもかかわらず、市場では利上げ見通しが緩和されていることへの警戒感の表れでもあり、FRBは9月会合で0.75%の大幅利上げを決定するのではないかとの見方が出ている。

 ドル円は前日海外市場での流れを引き継ぎ、東京タイムでは上値を試す動きが見込まれる。17日は当時の日足一目均衡表・雲の上限(135.50円)で上値が抑えられ、昨日は堅調な動きも水準を切り上げた雲のなかでの推移にとどまっているが、本日は再び雲の上限(本日は136.31円近辺に上昇)を試す動きが期待され、しっかりとこの水準を上抜けできるかどうかに注目したい。東京タイムでは本邦7月CPIの発表が予定されており、6月から伸びの加速が見込まれている。ただ、予想比で強い結果になったとしても、日銀が「物価上昇は一時的なものに過ぎず、賃金が上がらないので持続性がない」「現時点で金利を上げると、経済活動にマイナスの影響がある」との見解を持っていることもあり、引き締め期待が強まることはなく、円相場の反応は限られそうだ。

(金)
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