東京為替見通し=ドル円、米指標や要人発言にらみ神経質な動きか

 先週末のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。ポジション調整目的のドル買いが優勢となり、133.89円まで値を上げた。米連邦準備制度理事会(FRB)当局者らがインフレに対して引き続き警戒感を示していることも相場を下支えした。ユーロドルは5営業日ぶりに反落。全般ドルの買い戻しが優勢となるなか、一時1.0238ドルまで下押した。ユーロスイスフラン中心にユーロクロスが下落した影響も受けた。全般ユーロ売りが進んだ流れに沿ってユーロ円は136.87円まで反落した。

 ドル円は5日の強い米雇用統計を受けて急伸したが、先週は7月の米消費者物価指数(CPI)や米卸売物価指数(PPI)が先月から予想以上に伸びが鈍化したことを受けて急反落した。ただ、複数のFRB当局者がインフレ高進への警戒感を強調したことを受けてドルに買い戻しが入るなど、足もとでドル円は神経質な動きとなっている。7月の米CPIとPPIの結果を踏まえて、市場では9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%の利上げ予想が中心になりつつあるが、今後の経済指標次第では0.75%の利上げ可能性が残されており、ドル円は米経済指標やFRB当局者らの発言をにらみ神経質な動きが続きそうだ。米下院は12日に4300億ドル規模の「インフレ抑制法案」を可決した。上院でも7日に可決されており、バイデン大統領の署名を経て近く成立する。

 ドル円は神経質な動きも足もとでは売買材料が交錯し、新規の手がかりが出るまで一方向に大きく傾きにくい。本日の東京市場では本邦4-6月期GDP速報値、中国の7月鉱工業生産・小売売上高などの発表が予定されているが、市場予想から大きく乖離しない限り、反応は限られそうだ。強いて言えば、さえない結果に伴い日中の株式市場に売り圧力が強まり、リスクオフの円買いが見られる可能性はあるが、日中の株式市場も先週末の米株の堅調な動きが支えとなりそうだ。また、14日に米連邦議会の超党派の上院、下院議員5人が台湾を訪問したことが明らかになっており、中国当局の動き次第では台湾問題をめぐりリスクオフが強まる可能性がある。

(金)
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