東京為替見通し=ドル円、米10年債利回り低下で上値が重い展開か

 27日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、FOMCでは予想通りFFレート誘導目標が2.25-2.50%に引き上げられ、パウエルFRB議長がインフレ抑制を強調したことで137.46円まで上昇した後、利上げについて慎重な姿勢を示したことで136.33円まで反落した。ユーロドルは、1.0097ドルまで下落後、1.0221ドルまで反発した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、パウエルFRB議長のハト派的な発言を受けて米10年債利回りが2.78%台に低下していることで、上値が重い展開が予想される。

 米連邦公開市場委員会(FOMC)では、市場の予想通りにFFレート誘導目標が0.75%引き上げられて2.25-2.50%となった。
 米国6月の消費者物価指数が前年比+9.1%まで上昇したことで、1.00%の大幅利上げも警戒されていたものの、ウォールストリート・ジャーナル紙のFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者が6月FOMCに続いて、7月FOMCでも0.75%の利上げを予告していた通りとなった。今後は、FEDウォッチャーのティミラオス記者の記事を注視していかなければならないのかもしれない。
 パウエルFRB議長は、「いずれ利上げペースを緩めるのが適切になる可能性が高い」と述べ、「利上げのペースはデータ次第」とし、利上げについて慎重な姿勢を示した。
 今後は、米国の雇用統計、消費者物価指数、ISM製造業・非製造業指数での雇用や物価指数などを検証していくことになる。

 10時30分に発表される6月豪小売売上高は、前月比+0.5%と予想されており、5月の前月比+0.9%からの伸び率低下が見込まれている。
 8月2日の豪準備銀行(RBA)理事会では、昨日発表された4-6月期消費者物価指数が前年比+6.1%となり、予想を下回ったものの、21年ぶりの高い伸び率を記録したことで、0.50%の追加利上げ観測が高まっている。
 6月の小売売上高が予想を上回った場合は、0.75%の利上げ観測が浮上し、予想通りか予想を下回った場合は、利上げ幅は0.50%に落ち着くことが予想される。
 RBAがインフレ指標として重要視しているトリム平均CPI上昇率は、前期比+1.5%、前年比+4.9%となり、2003年の統計開始以来の伸び率となった。しかし、警戒水準だった前期比+1.7%を下回ったことで、RBA理事会での0.75%利上げ観測は後退し、0.50%の利上げが有力視されている。
 本日、最新の経済予測を公表するチャーマーズ豪財務相は、インフレは改善する前に悪化すると警告しており、「インフレ予測は大幅に上方修正され、成長予測は下方修正される」と述べている。

(山下)
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