NYマーケットダイジェスト・26日 FRB議長講演受けて株急落・ドル高(2)

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに大幅反落。パウエルFRB議長の講演を受けて売買が交錯したあとは大きく値を下げた。パウエル氏はインフレ抑制を最優先に利上げを続ける方針を改めて強調。金融引き締めの長期化観測が強まり、米景気が一段と悪化するとの見方から幅広い銘柄に売りが広がった。
 市場では「インフレが早期に収束すればFRBは金融緩和方向に動くとの観測が出ていたが、パウエル氏の発言を受けて金融引き締めが強く意識され、景気が冷え込むことへの懸念が強まった」との声が聞かれた。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3日ぶりに大幅反落した。

・米国債券相場で長期ゾーンは反落。パウエルFRB議長がジャクソンホール会議での講演で、インフレ抑制を最優先に利上げを続ける方針を改めて強調すると、金融引き締めの長期化観測が強まり債券売りが進んだ。半面、米景気が悪化するとの懸念から米国株が急落すると、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入ったため下値は限定的だった。

・原油先物相場は小反発。パウエルFRB議長の講演など、FRB高官の発言が米金利の高水準での推移継続の観測を強めた。景気回復を遅らせるとの見方から、エネルギー需要後退の思惑を誘った。原油相場の重さにつながったものの、石油輸出国機構(OPEC)や他の主要産油国による枠組みOPECプラスによる減産への動きが下落幅の拡大を防いだ。持ち直し、小幅プラスで週の取引を終えた。

・金先物相場は週初22日以来、4日ぶりに反落。欧州通貨やオセアニア通貨など多くの通貨に対してドル高が進んだことからドル建て金価格に割高感が生じ、金相場の圧迫要因となった。短めな年限を中心に米債金利へ上昇圧力が掛かったことも、金利がつかない資産である金への投資妙味を低め、相場の押し下げ要因となった。パウエルFRB議長の講演での発言などFRB高官の発言が、高金利の状態が続きやすいとの見方を強めた。

(中村)
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