欧州マーケットダイジェスト・4日 株大幅高・金利低下・ユーロ高・ポンド高

(4日終値:5日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=144.16円(4日15時時点比▲0.66円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=143.79円(△1.23円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9974ドル(△0.0131ドル)
FTSE100種総合株価指数:7086.46(前営業日比△177.70)
ドイツ株式指数(DAX):12670.48(△461.00)
10年物英国債利回り:3.875%(▲0.089%)
10年物独国債利回り:1.871%(▲0.046%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>   <前回発表値>
8月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
前月比                5.0%       4.0%
前年比                43.3%     38.0%・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは堅調。8月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)はほぼ予想通りの結果となったものの、過去最高を記録したことでユーロを買う動きが先行。欧州を代表する株価指数のひとつユーロ・ストックス50指数が4.2%超上昇など、欧州株相場が急伸したことで投資家が運用リスクを取りやすくなり、ユーロ買い・ドル売りが入った面もあった。
 NY市場では、米労働省が発表した8月の雇用動態調査(JOLTS)で求人件数が1005.3万件と前回の1117.0万件から大幅に減少し、予想の1108.8万件を下回った。週末の9月米雇用統計に注目が集まる中、米労働市場の軟化が示されたことで、米長期金利の低下とともにドル売りが加速した。米金利低下で米国株相場が上げ幅を拡大したこともリスク・オンのドル売りを促し、一時0.9994ドルと日通し高値を付けた。

・ポンドドルは上昇。金融市場の不安定化リスクに配慮して主要中銀が利上げペースを緩めるとの思惑が浮上する中、欧米株価が急伸するとリスク・オンのドル売りが優勢となった。1時30分過ぎに一時1.1489ドルと9月16日以来の高値を付けた。英財政悪化に対する過度な警戒感が後退し、英国債相場が上昇(金利は低下)したことも相場の支援材料。

・ドル円は頭が重かった。欧州株高に伴うクロス円の上昇につれた円売り・ドル買いが出ると、21時過ぎに一時144.93円と日通し高値を付けたものの、政府・日銀による円買い介入への警戒感から節目の145円には届かなかった。
 NY市場では予想を下回る米労働指標をきっかけに円買い・ドル売りが進行。前日の安値144.16円を下抜けて一時143.95円と日通し安値を更新した。なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時110.11と9月20日以来の安値を付けた。

・ユーロ円は底堅い。欧米株価の上昇を背景に投資家のリスク志向が改善し円売り・ユーロ買いが優勢となった。24時30分前に一時144.08円と9月14日以来の高値を更新した。

・ロンドン株式相場は大幅に3日続伸。金融市場の不安定化リスクに配慮して主要中銀が利上げペースを緩めるとの思惑が浮上する中、株式への買いが広がった。クワーテング英財務相が「政府債務削減のための詳細な計画の公表を前倒しする」と述べたことも投資家心理の改善につながった。HSBCやバークレイズなど金融株の上昇が目立ったほか、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株に買いが集まった。

・フランクフルト株式相場は大幅に3日続伸。世界的な景気悪化に伴う市場不安の増幅を避けるため、主要中銀が積極的な金融引き締めを鈍化させるとの思惑から株買いが膨らんだ。個別ではザランド(8.28%高)やザルトリウス(7.68%高)、インフィニオン・テクノロジーズ(7.04%高)などの上昇が目立ち、全40銘柄が値上がりした。

・欧州債券相場は上昇。世界的な景気悪化や金融システムに及ぼす悪影響を避けるため、主要中銀が積極的な金融引き締めを鈍化させるとの思惑から債券買いが進んだ。

(中村)
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