NY為替見通し=ドル円、まずは米10月CPIを見極め FRB高官の講演にも注目

 本日のNY為替市場のドル円は、序盤に発表される米10月消費者物価指数(CPI)をまずは見極め、複数予定されている米連邦準備理事会(FRB)高官の講演も注目しながらの展開となりそうだ。10月CPIは前年比+8.0%と予想されており、9月から伸び率の鈍化が見込まれている。6月+9.1%をピークとした、減速傾向の継続が確認されるかがポイント。

 CPIと、FRBがインフレ指標として注視しているPCE総合価格指数の最近の前年比ベースの伸び率は以下の通り。
  【消費者物価指数】 【PCE総合価格指数】
・9月:  +8.2%   +6.2%
・8月:  +8.3%   +6.2%
・7月:  +8.5%   +6.4%
・6月:  +9.1%   +6.8%

 本日、予想通りのCPI結果となれば、10月雇用統計での平均時給も鈍化していたことで、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での第7次利上げ幅が+0.50%に留まる確率が高まるだろう。そうなると、ドルの上値を抑える要因となる。

 リスクシナリオ1は、予想の+8.0%を上回り、9月同様の+8.2%程度に留まった場合。過去2カ月連続で予想比上振れた結果が出ており、今回も同様となればドルの買い戻しが進むか。

 リスクシナリオ2は、一部の米系金融機関が示唆しているように+7.6%程度まで減速した場合。米国債利回りの低下から、ニューヨーク株高が期待され、リスクオンのドル売り要因となる。

 なお、10月CPIの前月比は前回から上振れが見込まれていることには注意をしておきたい。米国内のガソリン価格は9月後半を底に10月はじり高となっており、前月比が予想以上に強ければ指数全体のイメージも変わってくるかもしれない。

 講演が予定されているFRB高官は、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁から始まり、ローガン米ダラス連銀総裁やデイリー米サンフランシスコ連銀総裁、メスター米クリーブランド連銀総裁とジョージ米カンザスシティ連銀総裁。

 米国中間選挙については、上院選で民主党が48議席、共和党が49議席をこれまで獲得している。もっとも、激戦州のジョージア州で両候補とも50%以上の得票は見込めないため、決選投票が来月6日に行われることになった。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、日足一目・転換線の147.02円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、11月9日の安値145.18円。
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