ニューヨーク外国為替市場概況・29日 ドル円、続落

 29日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続落。終値は138.63円と前営業日NY終値(138.95円)と比べて32銭程度のドル安水準だった。欧州時間に一時137.87円まで売られた影響が残ったものの、前日の安値137.50円が目先サポートとして働くと買い戻しが進み下げ幅を縮めた。米10年債利回りが3.76%台まで上昇したこともドル買いを促し、一時138.85円付近まで値を上げた。ただ、アジア時間に付けた日通し高値139.35円には届かず、大きな方向感は出なかった。
 明日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を前に、積極的な売買が手控えられた面もあった。パウエル氏の講演は12月13-14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)前の最後の発言機会になる見通しで、市場では「今後の金融政策に関する新たな示唆を得たいとして注目が集まっている」との声が聞かれた。

 ユーロドルは小幅ながら3日続落。終値は1.0330ドルと前営業日NY終値(1.0340ドル)と比べて0.0010ドル程度のユーロ安水準だった。前日にFRB高官らが米金融引き締めの長期化を示唆したことが引き続き相場の重しとなったほか、「ユーロ圏のインフレ率がピークに近い」との観測から欧州債利回りが低下したことがユーロ売りを誘った。5時過ぎには一時1.0320ドルと日通し安値を更新した。
 なお、この日発表の9月米ケース・シラー住宅価格指数は予想を下回った一方、9月米住宅価格指数や11月米消費者信頼感指数は予想を上回った。

 ユーロ円は続落。終値は143.26円と前営業日NY終値(143.66円)と比べて40銭程度のユーロ安水準。この日発表のドイツとスペインの消費者物価指数(CPI)伸び率が前月から鈍化したことで、「ユーロ圏のインフレ率がピークに近い」との観測が広がり一時143.02円と日通し安値を付けた。その後の戻りも143.36円付近にとどまった。

本日の参考レンジ
ドル円:137.87円 - 139.35円
ユーロドル:1.0320ドル - 1.0394ドル
ユーロ円:143.02円 - 144.02円

(中村)
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