ニューヨーク外国為替市場概況・2日 ドル円、5日続落

 2日のニューヨーク外国為替市場でドル円は5日続落。終値は134.31円と前営業日NY終値(135.33円)と比べて1円02銭程度のドル安水準だった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は今週11月30日の講演で「早ければ12月にも利上げ幅を縮小する可能性がある」と発言。米利上げ減速観測が高まる中、欧州市場序盤には133.63円と8月16日以来の安値を更新した。
 ただ、米労働省が発表した11月米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比26.3万人増と予想の20.0万人増を上回り、平均時給が前月比0.6%/前年比5.1%と予想の前月比0.3%/前年比4.6%を上回ったことが分かると、米長期金利の上昇とともにドル買いが優勢に。23時前には一時135.98円と日通し高値を更新した。
 もっとも、買いが一巡すると次第に上値が重くなり、6時過ぎには134.24円付近まで押し戻された。市場では「賃金の伸びは予想を上回ったが、3月にピークを付けたことは明らか。FRBが今月の会合で利上げペースを減速する軌道に変化はないだろう」との声が聞かれ、戻りを売る動きが広がった。米雇用統計発表直後に3.63%台まで上昇した米10年債利回りも3.46%台まで低下した。

 ユーロドルは小幅ながら3日続伸。終値は1.0535ドルと前営業日NY終値(1.0520ドル)と比べて0.0015ドル程度のユーロ高水準だった。良好な米雇用統計をきっかけに全般ドル買いが先行すると一時1.0429ドルと日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。市場では「FRBが利上げペースを減速する」との見方に変化はなく、取引終了間際には1.0542ドル付近まで持ち直した。

 ユーロ円は続落。終値は141.48円と前営業日NY終値(142.35円)と比べて87銭程度のユーロ安水準。日本時間夕刻に一時140.77円と日通し安値を付けたものの、NY市場に入ると142.19円付近まで買い戻される場面もあった。ただ、引けにかけては再び弱含み141.43円付近まで下押しした。

本日の参考レンジ
ドル円:133.63円 - 135.98円
ユーロドル:1.0429ドル - 1.0545ドル
ユーロ円:140.77円 - 142.48円

(中村)
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