ニューヨーク外国為替市場概況・30日 ドル円、3日続落

 30日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3日続落。終値は138.07円と前営業日NY終値(138.63円)と比べて56銭程度のドル安水準だった。11月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が12.7万人増と予想の20.0万人増を下回ったことが分かると全般ドル売りが先行したものの、その後発表の7-9月期米国内総生産(GDP)改定値や個人消費、コアPCEが予想を上回ったことが伝わると、米長期金利の上昇とともにドル買いが優勢になった。市場では「月末のロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだドル買いのフローが観測された」との声も聞かれ、一時139.89円と日通し高値を更新した。
 ただ、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が講演で「利上げペースを緩めることは理にかなっている」「利上げペースを緩める時期は早ければ12月となる可能性」と発言すると、一転ドル売りが優勢に。米長期金利が急低下したことも相場の重しとなり、5時30分過ぎに一時137.65円と日通し安値を更新した。
 なお、パウエル氏は12月の利上げ減速を示唆した一方で、「インフレとの闘いは終了からほど遠い」「金利は一段と上昇し、景気抑制的な水準に当面とどまる」と注意を促した。また、「ターミナルレート(利上げの最終到達点)は9月時点の予測よりもやや高くなる可能性が高い」と述べた。

 ユーロドルは4営業日ぶりに反発。終値は1.0406ドルと前営業日NY終値(1.0330ドル)と比べて0.0076ドル程度のユーロ高水準だった。低調なADP全米雇用報告をきっかけにユーロ買い・ドル売りが先行すると、23時30分過ぎに1.0400ドルまで値を上げたものの、その後失速した。予想を上回る7-9月期米GDP改定値や月末のロンドン・フィキシングに絡んだドル買いが入り、一時1.0291ドルと日通し安値を更新した。市場では「パウエル氏が講演でタカ派的な姿勢を打ち出す」との観測もあった。
 ただ、パウエル氏の講演を受けて米利上げ減速観測が強まると一転ドル売りが優勢に。5時30分過ぎには一時1.0429ドルと日通し高値を更新した。

 ユーロ円は3日ぶりに反発。終値は143.68円と前営業日NY終値(143.26円)と比べて42銭程度のユーロ高水準。24時過ぎに一時144.85円と日通し高値を付けたものの、4時過ぎには143.38円付近まで下押しした。ドル相場となったためユーロ円自体は方向感が出にくい状況だった。

本日の参考レンジ
ドル円:137.65円 - 139.89円
ユーロドル:1.0291ドル - 1.0429ドル
ユーロ円:143.17円 - 144.85円

(中村)
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