NY為替見通し=ドル円、米2月消費者物価指数(CPI)に要注目か

 本日のNY為替市場のドル円は、米2月消費者物価指数(CPI)のネガティブサプライズに警戒する展開となる。

 本日発表される米2月CPIは、前月比+0.4%、前年同月比+6.0%と予想されており、1月の前月比+0.5%、前年同月比+6.4%からのインフレ伸び率の鈍化が見込まれている。来週21-22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けて重要なインフレ指標となるはずだったが、1週間での3行の米国金融機関の破綻を受けて、利上げ見送り観測が台頭しており、ネガティブサプライズに警戒することになる。
 すなわち、インフレ率が予想を上回るポジティブサプライズでも、利上げ幅が0.50%になる可能性は低く、逆に予想を下回るネガティブサプライズの場合、利上げ見送りの可能性が高まり、FEDピボット(FRBの利下げ転換)の可能性を高めることになる。

 ニューヨーク地区連銀が昨日発表した2月の消費者期待調査(※米シリコンバレー銀行破綻前に実施)では、1年先のインフレ期待が4.2%と、1月の5.0%から低下し、2021年5月以来の低水準を記録していた。

 現在はブラックアウト期間中なので、米連邦準備理事会(FRB)高官の発言の機会なないものの、FRB高官の代弁者であるWSJ紙「FEDウォッチャー」ニック・ティミラオス記者の発言にも警戒しておきたい。
 ティミラオス記者は、先週、エコノミストの見解「雇用統計がよほど悪い数字でなければ、0.50%の利上げ見通しは変わらない」を報じていたが、現状は、0.25%か利上げ見送りの可能性が高まっている。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は一目・転換線の135.10円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は3月13日の安値132.29円。


(山下)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。