欧州マーケットダイジェスト・6日 株高・金利低下・ドル安

(6日終値:7日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=149.32円(6日15時時点比▲0.59円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.80円(△0.07円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0902ドル(△0.0047ドル)
FTSE100種総合株価指数:7679.31(前営業日比△33.15)
ドイツ株式指数(DAX):17716.71(△18.31)
10年物英国債利回り:3.991%(▲0.020%)
10年物独国債利回り:2.322%(▲0.001%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
1月独貿易収支        275億ユーロの黒字 233億ユーロの黒字・改
2月英建設業購買担当者景気指数(PMI) 49.7        48.8
1月ユーロ圏小売売上高
前月比                0.1%     ▲0.6%・改
前年比               ▲1.0%     ▲0.5%・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円はさえない展開だった。「日銀が今月18-19日に開く金融政策決定会合では、一部出席者がマイナス金利政策の解除が妥当だと意見表明する見通し」との観測報道が伝わると円買いで反応し、日本時間夕刻に一時149.33円まで下落した。その後149.86円付近まで値を戻す場面もあったが、節目の150円には届かなかった。
 NYの取引時間帯に入ると、2月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が14.0万人増と予想の15.0万人増を下回ったことを受けて全般ドル売りが活発化。2時過ぎに一時149.10円と2月12日以来の安値を付けた。
 なお、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は米下院金融サービス委員会で「利下げにはインフレに関するさらなる確信が必要」との見解を示し、当面はデータを見極める従来通りの姿勢を強調した一方、「年内のいずれかの時点で利下げが適切になる可能性が高い」との考えを示した。また、「今年の利下げ開始時期やペースは景気次第」「慎重かつ思慮深く、利下げの決定を下すべき」などと話した。市場では「これまでに示した内容に沿ったもの」との受け止めが聞かれたが、そのあとにドル売りがじりじりと進んでいる。

・ユーロドルは堅調。米雇用指標の下振れをきっかけに米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.0768%前後と約1カ月ぶりの低水準を付けると、全般ドル売りが先行。パウエルFRB議長の議会証言では早期利下げに慎重な姿勢が示されたものの、「従来通りの見解が示された」との受け止めから、米金利低下とドル売りが進んだ。2時過ぎには一時1.0915ドルと1月24日以来の高値を付けた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時103.20と2月2日以来の低水準を付けた。

・ユーロ円は下値が堅かった。日銀が金融政策の修正に早期に動くとの観測が円買いを促し、日本時間夕刻に一時162.22円と日通し安値を付けた。ただ、売り一巡後は徐々に買い戻しが進んだ。米国株相場や日経平均先物の上昇に伴う円売り・ユーロ買いが出て、0時30分過ぎに一時162.96円と日通し高値を更新した。

・ロンドン株式相場は続伸。前日の米国株相場の下落を受けて反落して始まったものの、ハント英財務相が発表した春季財政報告(春の予算編成方針)を受けて反発した。原油先物相場の上昇を背景にBPやシェルなどエネルギー株が値上がりした。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株も堅調だった。

・フランクフルト株式相場は3日ぶりに小反発。本日の米国株相場の上昇を受けて買いが入った半面、相場は史上最高値圏にあり、利益確定売りに上値を抑えられた。明日7日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会を前に方向感が出にくい面もあった。個別ではシムライズ(6.59%高)やザランド(3.20%高)、BASF(2.71%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。

(中村)
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