NYマーケットダイジェスト・12日 株高・金利上昇・ビットコイン乱高下

(12日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.68円(前営業日比△0.73円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.35円(△0.80円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0927ドル(△0.0001ドル)
ダウ工業株30種平均:39005.49ドル(△235.83ドル)
ナスダック総合株価指数:16265.64(△246.37)
10年物米国債利回り:4.15%(△0.05%)
WTI原油先物4月限:1バレル=77.56ドル(▲0.37ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2166.1ドル(▲22.5ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>
2月米消費者物価指数(CPI)
前月比                0.4%       0.3%
前年比                3.2%       3.1%
エネルギーと食品を除くコア指数
前月比                0.4%       0.4%
前年比                3.8%       3.9%
2月米財政収支         2963億ドルの赤字  219億ドルの赤字

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は6日ぶりに反発。2月米消費者物価指数(CPI)が前月比0.4%/前年比3.2%、エネルギーと食品を除くコア指数が前月比0.4%/前年比3.8%と予想より強い内容だったことが分かると全般ドル買いが先行し、一時148.12円と日通し高値を付けた。ただ、米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.07%台まで低下すると一転ドル売りが優勢となり147.07円付近まで急失速した。
 もっとも、米10年債利回りが再び上昇するとドル円にも買いが入り、147円台後半まで持ち直している。米10年債利回りは低調な米10年債入札を受けて、4.17%台まで上昇した。

・ユーロドルはほぼ横ばい。2月米CPIを受けた米長期金利の動向に左右される展開となった。
 米CPI発表直後に1.0904ドルまで値を下げたものの、その後は急速に持ち直し1.0944ドルと日通し高値を更新。ただ、前日の高値1.0953ドルが目先レジスタンスとして働くと失速した。米指標結果の消化が進む中で米長期金利が上昇すると全般ドル買いが優勢となり、22時30分過ぎに一時1.0902ドルと日通し安値を付けた。もっとも、節目の1.0900ドルがサポートとして意識されると下げ渋った。

・ユーロ円は6日ぶりに反発。ドル円が日通し高値を付けたタイミングでユーロ円も一時161.57円と本日高値を付けた。そのあとはドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、方向感が乏しくなった。

・代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは乱高下。対ドルで一時7万2968ドル前後と史上最高値を更新したものの、最高値を更新した達成感から利益確定目的の売りが膨らむと急失速した。2時30分前には6万8691ドル前後と日通し安値を付けた。もっとも、先高観を背景に押し目買い意欲も旺盛で下押しは限定的。取引終盤には7万1000ドル台半ばまで持ち直した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。2月米CPIが予想より強い内容だったことが分かると米長期金利が上昇。株式の相対的な割高感が意識されて、指数は下げに転じる場面があった。ただ、その後は指標内容の消化が進む中で買いが優勢となり、300ドル超上昇した。市場では「米連邦準備理事会(FRB)が注視している住居費を除くコアCPI(スーパーコア)が前月から鈍化したことが好感された」との指摘があった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発した。

・米国債券相場で長期ゾーンは続落。2月米CPIが予想より強い内容だったことを受けて売りが優勢となった。10年債入札が「低調」と受け止められたことも相場の重し。

・原油先物相場は4日続落。2月米CPIが予想を上回ったことから、FRBの利上げ開始時期が後ずれするとの見方が浮上すると、ドル建てで取引される原油に割高感が出て売られた。
 なお、この日発表された石油輸出国機構(OPEC)の月次レポートでは、24年の米国と世界の経済成長見通しをやや引き上げており、このことが原油の下値を支えた。

・金先物相場は9日ぶりに反落。2月米消費者物価指数を受けて米長期金利が上昇すると、金利のつかない金の投資魅力が薄れて売りが優勢となった。

(中村)
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