NYマーケットダイジェスト・5日 株反発・金利上昇・原油高・金最高値・円安

ドル・円相場:1ドル=151.62円(前営業日比△0.28円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.32円(△0.29円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0837ドル(横ばい)
ダウ工業株30種平均:38904.04ドル(△307.06ドル)
ナスダック総合株価指数:16248.52(△199.44)
10年物米国債利回り:4.40%(△0.09%)
WTI原油先物5月限:1バレル=86.91ドル(△0.32ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=2345.4ドル(△36.9ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は反発。米労働省が発表した3月米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比30.3万人増と予想の20.0万人増を上回り、失業率が3.8%と予想の3.9%より強い内容だったことが伝わると、米長期金利の上昇とともにドル買いが先行。22時過ぎに一時151.75円と日通し高値を付けた。
 前日の高値151.77円が目先レジスタンスとして意識されると151.44円付近まで伸び悩む場面もあったが、米利下げ開始時期が後ずれするとの観測が高まる中、押し目を拾いたい向きは多く下押しは限定的だった。
 なお、ローガン米ダラス連銀総裁は「利下げについて考えるのはあまりに早過ぎる」「インフレの上振れリスクに対する懸念が高まっている」と述べたほか、ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事は「まだ利下げを検討する時期ではない」「可能性は低いものの、インフレを抑制するために追加利上げが必要になる可能性はある」などと話した。

・ユーロドルは横ばい。米重要指標を発表前にポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りが先行すると一時1.0848ドルと日通し高値を付けたものの、米雇用統計の上振れをきっかけに全般ドル買いが活発化すると、22時過ぎに一時1.0791ドルと日通し安値を付けた。
 ただ、そのあとはユーロ円の上昇につれた買いが入り、1.0844ドル付近まで下げ幅を縮めた。市場では「来週11日に欧州中央銀行(ECB)定例理事会を控える中、200日移動平均線が位置する1.0833ドル付近を睨んだ動きとなった」との指摘があった。

・ユーロ円は反発。前日に急落したダウ平均が一時440ドル超上昇したうえ、ナイト・セッションの日経平均先物が大証終値比420円高の3万9400円まで反発したことで、投資家のリスク志向が改善し円売り・ユーロ買いが優勢になった。1時前には一時164.44円と日通し高値を更新した。

・カナダドル円は下値が堅かった。カナダ統計局が発表した3月カナダ雇用統計で、新規雇用者数が0.22万人減と予想の2.50万人増に反して減少したうえ、失業率が6.1%と予想の5.9%より弱い内容だったことが分かると売りが先行。23時過ぎに一時111.12円と日通し安値を更新した。
 ただ、米国株相場の上昇や原油高を背景に円売り・カナダドル買いが優勢になると111.66円付近まで持ち直した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は5日ぶりに反発。3月米雇用統計では雇用者数が予想を上回り、米労働市場の底堅さが改めて示されたものの、インフレに影響する平均時給の伸びが予想と一致。市場では「インフレ圧力が警戒していたほど高止まりしていない」と受け止める向きもあり、次第に買いが広がった。指数は前日まで4日続落し、1200ドル超下げていただけに、値頃感から押し目買いなども入りやすかった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反発。メタプラットフォームズやエヌビディア、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)などが買われた。

・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反落。3月米雇用統計が予想より強い内容となったことで、米利下げ開始時期が後ずれするとの観測が高まった。米国株相場の反発も相場の重し。

・原油先物相場は6日続伸。前日に急騰した反動で売り先行も、下押しは86ドル前半と限られた。イランとイスラエルの対立激化や、石油輸出国機構(OPEC)プラスの減産継続が依然として材料視されているもよう。再び87ドル台に乗せると上昇に勢いがつき、昨年10月以来の高値圏となる87.60ドル台まで上げ幅を広げた。

・金先物相場は大幅に反発。注目の3月米雇用統計が強い結果となったことを受けて売りが先行するも、下値の堅さを確認するに留まった。中東情勢の緊迫化が警戒されて安全資産・金への資金流入は続き、先物は一時2350ドル付近まで上値を伸ばした。清算値ベースでも過去最高値を更新している。

(中村)
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