予想とまとめ

【NY為替予想】ドル円、トランプ米大統領の円安牽制発言に要警戒か
2025/04/28 19:26
 本日のNY為替市場のドル円は、重要な経済指標や要人発言の予定がないことから、トランプ米大統領やベッセント米財務長官による円相場への見解に警戒する展開が予想される。

 先週24日に行われた日米財務相会談の後、加藤財務相は「米国からは為替に関して目標やそれに対する枠組みの話は全くなかった」「具体的な為替レートについての話はなかったとした」と述べた。しかし、米財務省は「為替に関する問題について両者が緊密な協議を続ける意向を再確認した」と表明し、ベッセント米財務長官も「ドル安・円高が望ましい」と述べた、と報じられていた。しかし、三村財務官は、報道は100%事実無根、米側から円高ドル安が望ましいとの話はなかった、と否定しており、今後の関連ヘッドラインには警戒しておきたい。

 今週に開催予定の第2回日米通商交渉に向けて、トランプ米政権によるドル安・円高への圧力が高まる可能性に警戒しておきたい。

 第1回日米通商交渉の後の記者会見で、赤沢経済再生相は、「今回の協議で通貨政策が議題に上ったのか」との質問に対しては、「為替については出ませんでした」とわざわざ2回も否定していた。一部の市場筋は、赤沢経済再生相が為替協議を2回否定し、加藤財務相が為替協議を「建設的に続ける」と表明していたことで、なんらかの課題が俎上に上がったのではないか、と深読みする向きもあり、今後の交渉の進展に要注目となる。

 IMM通貨先物の非商業(投機)部門取組の円のネット買い持ちポジションは、140円を割り込んだ22日の時点で+177,814枚(前週比+5,959枚)と過去最大を更新していた。
 シカゴ筋は、ドル円が155円付近で円の売り持ちから買い持ちに転換し、152円付近で過去最大規模となり、140円割れでも円の買い持ちポジションを堅持していることになる。

 ドル円が日米財務相会談の後に144円台まで買い戻された局面で、一部手仕舞われた可能性はあるものの、トランプ米政権の円安への対応策とともに、投機筋の動向にも注目しておきたい。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、144.31円(4/14高値)

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、142.28円(4/24安値)

今日のイベントスケジュール

9日 (時間は日本時間)
国内
08:303月毎月勤労統計(現金給与総額、予想:前年比2.5%)
08:303月家計調査(消費支出、予想:前年比0.2%)
08:504月外貨準備高
14:003月景気動向指数速報値(予想:先行107.5/一致115.9)
海外
15:004月ノルウェー消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.6%/前年比2.5%)
15:00レーン・フィンランド中銀総裁、講演
16:004月スイスSECO消費者信頼感指数(予想:▲33.0)
16:003月トルコ鉱工業生産
17:40ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
18:55バー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
19:45クーグラーFRB理事、講演
20:15ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
21:004月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前年同月比5.52%)
21:304月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化0.50万人/失業率6.8%)
21:30ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ
21:30バーキン米リッチモンド連銀総裁、イベントに参加
22:10シムカス・リトアニア中銀総裁、講演
23:00グールズビー米シカゴ連銀総裁、あいさつ
10日
00:30ウォラーFRB理事、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、パネルディスカッションに参加
ロシア(戦勝記念日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。

上値と下値の目安

ドル円 ドル円
2025/05/09 08:33
レジスタンス2 147.35(2/12-4/22下落幅の半値戻し)
レジスタンス1 146.54(3/11安値)
前日終値 145.91
サポート1 145.14(5/8レンジ61.8%水準)
サポート2 144.36(5日移動平均線)
ユーロドル ユーロドル
2025/05/09 08:34
レジスタンス2 1.1378(5/7高値)
レジスタンス1 1.1317(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.1228
サポート1 1.1135(ピボット・サポート2)
サポート2 1.0943(4/10安値)
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