NYマーケットダイジェスト・10日 株高・金利上昇・円安・ユーロ高

(10日終値)
ドル・円相場:1ドル=145.76円(前営業日比△1.28円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.94円(△2.00円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0973ドル(△0.0042ドル)
ダウ工業株30種平均:37695.73ドル(△170.57ドル)
ナスダック総合株価指数:14969.65(△111.94)
10年物米国債利回り:4.03%(△0.02%)
WTI原油先物2月限:1バレル=71.37ドル(▲0.87ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2027.8ドル(▲5.2ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>    <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数(前週比)   9.9%       ▲10.7%
11月米卸売売上高(前月比)      0.0%      ▲1.5%・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は続伸。厚生労働省が東京時間に発表した2023年11月の毎月勤労統計調査で、物価変動の影響を除いた実質賃金が20カ月連続で減少したことが分かると、日銀の早期政策修正観測が後退。NY市場に入っても円を売る動きが続いた。米国株相場や日経平均先物の上昇を背景にリスク選好の円売り・ドル買いも出て、一時145.83円と本日高値を付けた。なお、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比410円高の3万4860円と高値引けとなった。
 5日の12月米雇用統計発表直後に付けた高値145.97円がレジスタンスとして意識されるといったんは伸び悩む場面もあったが、下押しは145.57円付近にとどまった。

・ユーロドルは反発。ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに向けて全般ユーロ買いが強まったほか、シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事が「インフレの上振れリスクがあるため、警戒を続ける必要」「利下げに関する議論は時期尚早」との見解を示したことが相場の支援材料となり、5時過ぎに一時1.0973ドルと日通し高値を更新した。
 なお、ユーロ豪ドルは1.6392豪ドル、ユーロNZドルは1.7639NZドル、ユーロポンドは0.8621ポンド、ユーロカナダドルは1.4682カナダドル、ユーロスイスフランは0.9344スイスフランまで上昇した。

・ユーロ円は上昇。日銀の早期政策修正観測が後退する中、全般円売りが優勢になると一時159.96円と昨年12月1日以来約1カ月ぶりの高値を更新した。シュナーベルECB専務理事が利下げに慎重な姿勢を示したこともユーロ買いを誘った。
 ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。ポンド円は一時185.76円、豪ドル円は97.69円、NZドル円は90.75円、カナダドル円は108.99円まで値を上げたほか、スイスフラン円は171.35円と史上最高値を更新した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。今週から本格化する米企業決算への期待から買いが優勢となった。ソフトウエアのマイクロソフトや顧客情報管理のセールスフォースといったハイテク株の上昇が相場をけん引した。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日続伸した。

・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反落。明日11日の12月米消費者物価指数(CPI)を前にポジション調整目的の売りが出た。ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が「インフレ率を2%に戻すという我々の取り組みはまだ終わっていない」「FRBはしばらくの間、制限的な政策スタンスを必要とするだろう」と話したことも相場の重し。

・原油先物相場は反落。序盤は昨日来の主要原油輸送ルート・紅海の治安悪化による供給不足を懸念した買いが先行。前日高値を上回る73.59ドルまで上昇した。しかし米エネルギー省(EIA)週間石油在庫(1/5時点)で原油在庫が積み増しへ転じたことを確認後は上昇幅を帳消し。原油在庫は+133.8万バレル(前週 -550.3万バレル)だった。

・金先物相場は4日続落。ここ数日の売りに対する反動で一時2046.2ドルまで反発。しかし同水準で頭打ちとなると2030ドル割れへ下押した。欧米金利が上昇するなか、金利が付かない資産である金の相対的な投資妙味低下が引き続き意識されやすかった。

(中村)
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