株式明日の戦略-伸び悩むも連日の上昇、あすからは個別重視の様相が強まる

 23日の日経平均は続伸。終値は113円高の37552円。米国株高を好感して、寄り付きは300円を超える上昇。37700円台からスタートして37800円台に乗せたが、すぐに上値が重くなって失速した。ナスダックの強い上昇を受けてもレーザーテック<6920.T>など半導体株が弱く、これらが強く売り込まれた局面では、指数もマイナス圏に沈む場面があった。ただ、37400円を割り込んだところでは切り返しており、マイナス圏で推移する時間は短かった。高値と安値を前場のうちにつけると、後場は動意自体が乏しくなった。プラス圏はキープした一方で上値は重く、37500円近辺でこう着感の強い地合いが引けまで続いた。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆7000億円。業種別では保険、証券・商品先物、建設などが上昇した一方、海運、ゴム製品、金属製品などが下落した。前期の利益見通しを引き上げた大阪ガス<9532.T>が大幅上昇。東京ガス<9531.T>や東邦ガス<9533.T>などガス株に買いが波及した。半面、早々にマイナス転換したレーザーテックのほか、ソシオネクスト<6526.T>やディスコ<6146.T>など半導体株の弱さが目立った。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり936/値下がり651。ファーストリテイリングが1.8%高と売買代金上位銘柄の中では強い動きを見せ、日経平均の上昇にも大きく貢献した。東京海上、MS&AD、三井住友、大和証G本社など、金融大手が全般堅調。前期の利益および期末配当の見通しを引き上げた東急建設や三信電気が急伸した。日経新聞で営業損益の改善観測が報じられたRIZAPが、一時ストップ高となるなど人気化した。

 一方、半導体株以外では、東電HDや北海道電力など電力株が全般軟調。日本郵船など海運大手3社がそろって下落した。前期の見通しを下方修正したLIXILやエクセディが大幅安。さくらインターネットが連日で6%台の下落と売り込まれた。

 日経平均は続伸。高値37817円は9時03分と早い時間につけ、ローソク足では陰線を形成した。それでも、半導体株が下げ止まらない中で、22日、23日とプラスで終えたことには期待が持てる。上値の重い1日ではあったが、プライム市場では2桁の下落率となった銘柄はなかった。下方修正で下げたLIXILやエクセディも3%台の下落にとどまっており、売り圧力が和らいでいる印象を受ける。

 国内では本日引け後にニデック<6594.T>が決算を発表している。米国では本日引け後にテスラが決算を発表予定で、時間外の反応をあすの東京市場で消化する。日本株はきょうまでは3月決算銘柄を手がけづらかったが、ここからは決算を確認した銘柄は売買が活況になると思われるだけに、売買代金が増加傾向となっていくかが注目される。また、今週は日米ともにグロース系の主力銘柄の決算発表が多い。米長期金利の上昇でグロース株には逆風も吹く中、業績を確認して強く買われる銘柄が出てくるかという点にも注目しておきたい。
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