ニューヨーク外国為替市場概況・9日 ドル円、3日ぶり反落

 9日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3営業日ぶりに反落。終値は145.37円と前営業日NY終値(145.91円)と比べて54銭程度のドル安水準だった。アジア時間に一時146.19円と4月10日以来約1カ月ぶりの高値を付けたあとだけに、海外市場では週末を控えたポジション調整目的の売りが出た。トランプ米大統領が「中国に対しては80%の関税が適切」と発言したことや、米10年債利回りが4.34%台まで低下したことも相場の重しとなり、23時30分前に一時144.83円と日通し安値を更新した。
 ただ、売りはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。米10年債利回りが4.38%台まで上昇したことも相場を下支えし、5時30分過ぎには145.38円付近まで下値を切り上げた。市場では「日銀の早期利上げ観測は後退している一方、米早期利下げ観測は後退しており、円売り・ドル買いが出やすい地合いだ」との声も聞かれた。

 ユーロドルは3日ぶりに反発。終値は1.1250ドルと前営業日NY終値(1.1228ドル)と比べて0.0022ドル程度のユーロ高水準となった。米長期金利の低下を手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行すると一時1.1293ドルと日通し高値を付けたものの、米長期金利が上昇に転じると伸び悩んだ。取引終了間際には1.1247ドル付近まで下押しした。

 ユーロ円は3日ぶりに反落。終値は163.53円と前営業日NY終値(163.82円)と比べて29銭程度のユーロ安水準。アジア市場では一時163.94円まで値を上げたものの、欧州市場では163.16円まで下落した。ただ、NY市場に限ればもみ合いの展開に。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。

本日の参考レンジ
ドル円:144.83円 - 146.19円
ユーロドル:1.1197ドル - 1.1293ドル
ユーロ円:163.16円 - 163.94円

(中村)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。