NY為替見通し=米景気指標を確認、午後はFOMC議事要旨が公表予定

 本日のニューヨーク為替市場では、まず米指標で足もとの景気動向を確かめながらの取引か。また、NY午後には、米5年債入札や米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨も注目となる。

 昨日の5月米消費者信頼感指数は予想を大きく上回り、98.0と2月以来の水準を記録した。前月からの上昇幅も12ポイントと強かった。大幅改善の要因は、調査締め切りの約1週間前に米中貿易交渉で関税の一時引き下げが合意に至ったこと。指標結果を受けて、ドル買いが強まる場面があった。

 本日は、5月米リッチモンド連銀製造業景気指数が発表予定。こちらの指標は、調査対象の州がバージニア州やメリーランド州など複数に限られている。しかしながら、昨日の強い消費者信頼感の後でもあり、また本日は他に目立った経済データも他にないため、結果次第ではNY前半の動意に繋がるのではないか。予想は-9と前回から4ポイント改善見込み。

 日本時間29日2時には、米財務省が5年債入札を実施する。前回4月の同年債入札では、トランプ関税への警戒感が高まっていた時期でもあり、海外(外国中銀や機関投資家)からの需要は弱かったもよう。貿易摩擦による混乱は一時より後退してはいるものの、警戒感はまだ拭えない。結果を受けた中期金利の動きには目を向けておきたい。

 FOMC議事要旨は、予想通りに政策金利の据え置き(4.25-4.50%)を決定した今月6-7日分。声明では、「経済の見通しを巡る不確実性がさらに増した」ことが指摘され、「失業率とインフレ率の上昇リスクが高まった」とも述べられた。その後の会見では、パウエルFRB議長が早期利下げに慎重な姿勢を見せていた。議事要旨では、他のFOMCメンバーがどの程度までパウエル氏に賛同しているかを確認したい。

想定レンジ上限
・ドル円、本日高値144.77円を超えると20日高値145.51円

想定レンジ下限
・ドル円、本日安値143.85円を下抜けると昨日安値から本日高値までの半値押し143.45円。

(小針)
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