ロンドン為替見通し=予断を許さない米雇用統計前に待ちの様相を強めやすいか

 ロンドンタイムは、米雇用統計発表まで様子見姿勢が続きやすいか。昨日は欧州中央銀行(ECB)が予想通りの政策金利引き下げを発表。ラガルドECB総裁の「本日の利下げで金融緩和サイクルの終了に近づいた」との見解や、ECB当局者の「7月の理事会では利下げ休止が見込まれる」との話が伝わりユーロドルは上振れるもほどなく失速。足もとでは1.14ドル前半から半ばでもみ合っている。

 ECBは7月に休止を挟んだとしても、9月のスタッフ経済見通しと合わせ、トランプ関税の影響を鑑みた上で再び利下げに動く可能性もあり、いったんECBイベントのインパクトを織り込んで動意を落ち着かせつつある格好。米関税交渉の行方が大きく影響することになるが、足もとでは米中貿易交渉の継続をポジティブに捉えたドル買い戻しが進みやすくなっている感がある。

 また、米雇用統計の結果次第だが、同指標は強かった欧州PMIのように、関税発動停止中の駆け込み的な生産や輸出ほか企業活動の活発化がポジティブサプライズを誘うなど、かく乱要因を抱えている点にも注意。予断を許さない米雇用統計を待つ様相が強まりやすいとみる。


想定レンジ上限
・ユーロドル:ピボット・レジスタンス2・1.1538ドルや4月22日高値1.1547も位置する1.1540ドル付近。

想定レンジ下限
・ユーロドル:日足一目均衡表・転換線1.1353ドル。

(関口)
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