ニューヨーク外国為替市場概況・17日 ドル円、3日続伸

 17日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3日続伸。終値は145.29円と前営業日NY終値(144.75円)と比べて54銭程度のドル高水準だった。イスラエルとイランの軍事衝突が激化し、世界経済に悪影響を及ぼすとの懸念が高まる中、投資家が運用リスクを回避する姿勢を強めると米国株相場が下落。為替市場では「有事のドル買い」が優勢となった。前日と同様に、ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに向けたドル買いのフローが観測されると一時145.29円まで値を上げた。
 一目均衡表基準線145.30円や雲上限145.60円がレジスタンスとして意識されるといったんは144.91円付近まで伸び悩む場面もあったが、下押しは限定的だった。4時30分前には一時145.38円まで買われ、日通し高値を更新した。
 なお、トランプ米大統領が自身のSNSでイランに対して「無条件降伏」を求めたほか、爆撃は望まないとしながらも「我々はしびれを切らしている」などと投稿。米国が軍事介入し、中東情勢が一段と悪化することへの警戒が広がった。

 ユーロドルは反落。終値は1.1480ドルと前営業日NY終値(1.1561ドル)と比べて0.0081ドル程度のユーロ安水準となった。イスラエルとイランの交戦が続く中、米軍が中東地域に戦闘機を追加配備したことが伝わった。中東情勢の更なる緊迫化で「株安・原油高・ドル高」の様相が強まった。前日の安値1.1524ドルを下抜けると、4時前に一時1.1475ドルと日通し安値を付けた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時98.87まで上昇した。
 なお、5月米小売売上高や5月米鉱工業生産、6月米NAHB住宅市場指数など、この日発表の米経済指標は軒並み予想を下回ったものの、相場の反応は限られた。

 ユーロ円は9営業日ぶりに反落。終値は166.79円と前営業日NY終値(167.35円)と比べて56銭程度のユーロ安水準。中東情勢の緊迫を背景に米国株相場が軟調に推移すると、リスク回避の円買い・ユーロ売りが優勢となった。5時過ぎに一時166.71円と日通し安値を更新した。

本日の参考レンジ
ドル円:144.41円 - 145.38円
ユーロドル:1.1475ドル - 1.1580ドル
ユーロ円:166.71円 - 167.61円

(中村)
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