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ロンドン為替見通し=ユーロドル、動き出しを待つ展開か

 本日のロンドン為替市場では、欧州市場で目玉となりそうな経済イベントが見当たらない一方で、NY市場では7月米ISM非製造業景況指数の発表を控えていることもあり、ドル売り再開のきっかけを待つ展開となるかもしれない。

 ユーロドルは前週末に1.15ドル台を回復すると、今週は1.15ドル台でのもみ合いが続いている。足もとのドル売り材料を振り返ると、弱い米雇用統計をはじめ、クーグラー米連邦準備制度理事会(FRB)理事辞任によりFRB内部がハト派化するとの観測や、労働省労働統計局(BLS)の局長解任により同局が発表する経済指標に対する透明感や信頼性の低下が挙げられる。

 その中でも、弱い雇用統計を受けて米9月利下げ観測が高まっている。CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によれば、次回9月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げがほぼ織り込まれており、しかも利下げ幅は0.50%が6割と0.25%のほぼ倍となっている。このことから、ユーロドルは上昇圧力が掛かりやすいと見る。

 そうした中、ユーロドルは本日の東京市場で弱含む場面こそ見られたが、今週に入ってからの1.15ドルのレンジをブレイクするには至っていない。クーグラーFRB理事の後任について、昨日トランプ大統領は「数日以内に候補を発表する」としており、次に指名されるのはハト派の人物が確実視されているが、候補者決定まで間があることで、それまでは人選を見極めたいとして積極的なドル売りは手掛けにくいのかもしれない。

 また、足元のユーロドルの上昇はドル主導である点を踏まえると、米大統領やFRB高官などからの不意の発言には注意が必要ではあるものの、マザーマーケットであるNY市場を待たなければならないのかもしれない。

 経済指標は、仏・独・ユーロ圏などで7月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)が発表予定。ただ、今回は改定値のため、速報値からよほどの乖離がなければ材料視されないかもしれない。そのほか、ユーロ圏では6月卸売物価指数(PPI)も発表予定となっている。

 テクニカル面では、足元で1.15ドル台半ばから後半でのもみ合いが続く中、上サイドは前日の上伸を阻んだ日足・一目均衡表の基準線が引き続き意識されると見る。本日も1.1611ドルに位置しており、クリアに突破すると上値余地が拡大する公算。ただし、昨日安値1.1550ドルを明確に下抜けてしまうと、1.1509ドルに位置する5日移動平均線に向けた続落もあり得る。


想定レンジ上限
・ユーロドル:日足・一目均衡表の基準線1.1611ドル。超えると心理的節目の1.1700ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル:5日移動平均線1.1509ドル。割り込むと日足・一目均衡表の雲の下限1.1447ドル。


(川畑)
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