週間為替展望(ポンド/加ドル)-加ドル、米加関係の行方注視

◆ポンド、トランプ米大統領の動向に振り回される展開
◆加ドル、BOC会合は無風で終わる可能性も
◆加ドル、溝が広がりつつある米加関係の行方を注視

予想レンジ
ポンド円 211.00-216.00円
加ドル円 113.00-117.00円

1月26日週の展望
 英国では来週、重要なイベントは予定されていない。そのためポンド相場は今週同様、トランプ米大統領の動向に振り回される週になるだろう。トランプ氏は17日、自らの主張である「デンマーク自治領グリーンランドの領有」に反対した英国を含む欧州8カ国に対し、追加関税を課すと表明した。しかしながら8カ国は脅しに屈しない姿勢を示し、欧米関係が急速に冷え込んだ。金融市場では週明けからリスク回避ムードが広がり、当初はポンド売りで反応したものの、その後は米国の信認低下を背景に米国資産(株、債券、ドル)を手放す動きに傾いた。もっとも、トランプ米大統領が一転して「追加関税は発動しない」と述べると、リスク回避の巻き戻しとなった。とはいえ、米国は今後もグリーンランドに対して強硬なスタンスで欧州に接してくる可能性が高い。欧米関係の状況を見極めつつ、ポンド相場は上下しそうだ。

 カナダでは28日、カナダ銀行(BOC)が金融政策決定会合を開く。今週19日発表の消費者物価指数(CPI)は前年比2.4%と予想を上回った。もっとも、これは昨年の消費税減税によるベース効果が大きい。BOCが重視するコアインフレ指標のCPIトリム値や中央値は、ともに2%台で減速。総じてインフレは落ち着ついている。今回BOCは政策金利を2.25%で据え置くというのが大方の見方であり、声明が極端な内容にならない限り、金融イベントは無風で終わる可能性が高い。

 金融政策よりも加ドル相場が材料視するのは、米加関係の行方だ。世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で演説したカーニー加首相は、米国やトランプ大統領の名指しは避けつつ、大国主導の旧来の国際秩序や、覇権国による経済的威圧を強く批判。その後にトランプ氏が演説し、「カナダが存在しているのは米国のおかげ」「カナダはわれわれに感謝すべきだ」と威圧的な態度を強めている。両国間の溝が埋まる雰囲気がないまま米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)見直し協議が始まった場合、話し合いは確実に難航するだろう。そうなると、経済規模からカナダにとってネガティブと受け取られやすくなり、加ドルの買いづらさにつながりそうだ。

 なおカナダのメディアによれば、同国軍は、仮定的シナリオとして、米軍の侵攻を想定した国防モデルを作成したもよう。トランプ大統領の「カナダを51番目の州に」発言を受けた対応策であり、両国関係の悪化を如実に表しているといえる。
 
1月19日週の回顧
 ポンドは週明け、トランプ米大統領の追加関税に英国が含まれていたため売りが先行。もっともその後、米政権への不信感や本邦財政の悪化懸念からドル売りや円売りが優勢となった。英就業者数が増加していたことやリスク志向ムードの回復も支えに、ポンドは対円で210.60円台から214円台、対ドルでは1.33ドル前半から1.35ドル超えまで上昇した。

 加ドルは対円で113円前半から115円付近まで上昇し、対ドルでは1.37加ドル後半まで加ドル高に振れた。カナダが、中国など米国以外と貿易関係を構築していることが好感された。


(執筆:1月23日、9:00)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。