ロンドン為替見通し=エネルギー高がユーロを圧迫、ポンドも戻り限定

 本日のロンドン為替市場では、中東情勢を背景としたエネルギー高が引き続き相場の軸になりそうだ。WTI原油先物が再び100ドルを試すような動きを見せ、北海ブレント先物は100ドル台に乗せ、ホルムズ海峡を巡る緊張もくすぶるなかで欧州通貨には買いが入りにくい。エネルギー価格上昇の悪影響を受けやすいユーロ圏の弱さが意識され、ユーロドルは下値を探る流れが続くか。

 今回のユーロドルは、単なるドル高だけでなく、ユーロ圏固有の脆さが重なっている。原油・天然ガス高が長引けば、インフレ圧力が蒸し返される一方で、企業活動や家計への負担も増す。物価高と景気不安が同時に懸念され、ユーロ買い材料が見当たりにくい中では戻り売りが出やすい地合いだ。

 なお、欧州ガス価格の指標であるオランダTTF天然ガス先物の期先限月は昨日、前日比1.76%高の50.87ユーロで終えた。9日高値から約27%低いものの、米・イスラエルの対イラン攻撃前の高値からだと、約39%も上昇した位置にいる。

 ポンドドルも上値の重さが残る。英国は北海などで原油・ガスを生産する「産油国」だが、エネルギー全体としては「純輸入国」だ。そのため中東からのエネルギー供給不足はインフレ懸念に直結し、英中銀が年末にかけて利上げに動くとの見方も広がっている。

 もっとも、金利高はリーブス英財務相の財政改革余地を狭めることになり、必ずしもポンド買いにつながるわけではない。コスト増による景気への悪影響が意識されれば、むしろポンドのネガティブ要因と捉えられるだろう。

 なお本日は、英国から1月国内総生産(GDP)や同月鉱工業生産、フランスの2月消費者物価指数(CPI)改定値、ユーロ圏の1月鉱工業生産などが発表予定。もっとも、イラン戦争が始まる前のデータであり、結果に対する相場の反応は限られそうだ。ほか、ウンシュ・ベルギー中銀総裁の講演が予定されている。


想定レンジ
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.1607ドル
・ポンドドル、200日移動平均線1.3441ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、昨年11月5日安値1.1469ドル
・ポンドドル、9日安値1.3283ドル


(小針)
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