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東京為替見通し=米中首脳会談、貿易巡るディールの行方に注目

 昨日の海外市場でドル円は3日続伸。4月米卸売物価指数(PPI)が予想を大きく上回る結果となり、米10年債利回りが一時4.5003%前後と昨年6月以来約11カ月ぶりの高水準を記録すると、全般ドル買いが優勢に。一時157.93円と本日高値を付けた。ただ、米長期金利が上昇幅を縮小したことや、政府・日銀による為替介入への警戒感から、一本調子で上昇する展開にはならなかった。市場では「政府・日銀が円買い介入を実施したとみられる6日の高値157.94円がレジスタンスとして意識されている」との声も聞かれた。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、北京で行われる米中首脳会談の行方を最優先に、神経質な値動きとなることが予想される。トランプ米大統領の訪中を受けて、市場の関心は中東情勢の沈静化に向けたディールの成否と、関税を含む貿易問題の進展に集まっている。

 今回の首脳会談は、2025年10月の釜山以来の対面となり、訪中は約8年半ぶりとなる。最大の焦点は、緊迫化するイラン情勢を巡る協力体制だ。トランプ大統領はイランに対し強硬姿勢を崩していないが、中国の習近平国家主席がイランへの影響力をどう行使し、米国側が求める事態沈静化に向けた「仲介役」を果たせるかが大きなカギとなる。並行して、依然として溝が残る米中間の関税問題や、エネルギー・農産品の対中輸出拡大といった通商面での進展も、米大統領選を控えたトランプ氏にとっては譲れない重要課題となる見通しだ。

 首脳会談に先立ち、昨日13日には韓国の仁川国際空港でベッセント米財務長官と中国の何立峰副首相による実務者会談が行われた。非公開で3時間に及んだこの協議は、首脳会談の「地ならし」としての性格が強く、半導体やレアアースなどのサプライチェーン、さらには外国為替市場での協力の必要性について話し合われた模様だ。実務レベルでの対話が維持されていることは市場に安心感を与えているが、トランプ大統領自身が決定権を握る「トップダウン方式」の取引を好むだけに、実務者間の合意が首脳会談を通じてどのように最終合意へと反映されるかが、真の焦点となる。

 相場の地合いとしては、今週発表された米物価指標が市場のドル買い意欲を支えている。前々日の消費者物価指数(CPI)に続き、前日のPPIも軒並み市場予想を上回る強い内容となり、米国のインフレ高止まりが改めて意識される格好となった。米連邦準備理事会(FRB)による利下げ開始時期が後ずれするとの観測が強まるなか、日米金利差を背景としたドル買い・円売りが出やすいだろう。

 国内要因では、増一行日銀審議委員が鹿児島経済同友会で講演を行う予定だ。増氏は政策委員の中ではタカ派寄りと目されているが、前回会合の投票行動に鑑みれば、植田総裁の慎重なスタンスを概ね踏襲する公算が大きい。将来的な利上げ時期を示唆するかどうかには注意したい。

(越後)
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