NY為替見通し=米イラン協議や円買い介入の可能性、米インフレ指数に要注目か

 本日のNY為替市場のドル円は、米国とイランの協議に関する報道や本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に警戒しながら、米経済指標での物価指数を見極めていく展開が予想される。

 ドル円は1986年以来となる162円台に乗せており、引き続き本邦通貨当局による円買い介入への警戒が必要となる。片山財務相は「為替対応で断固たる措置が含まれることは日米間で確認」と述べるなど、従来通りの円安けん制姿勢を示すにとどまった。このため、市場ではドル買い・円売りの流れが続いている。

 一方、本日はドーハで米国とイランの協議が開催される予定であり、先週末の局地的な交戦を収拾できるかどうかが焦点となる。今週末4日の米建国250周年を控え、トランプ米政権はイランとの休戦状態を維持したいとみられることから、協議は事態の沈静化に向けた内容となる可能性がある。協議が進展すれば有事のドル買い圧力は後退し、逆に難航すればドル買い要因として意識されそうだ。

 このほか、市場では米連邦準備理事会(FRB)の利上げ観測を左右する物価関連指標にも注目が集まる。ウォーシュFRB議長が雇用よりも物価を重視する姿勢を示したことで、6月消費者信頼感指数では雇用関連項目よりも1年先のインフレ見通し、シカゴ購買部協会景気指数では雇用指数よりも価格指数が注目される。

 5月の消費者信頼感指数では、雇用指数が悪化する一方、1年先のインフレ見通しは6.2%と、3月の急上昇以降の高止まりが続いた。6月分では、原油価格の落ち着きを受けてインフレ見通しに変化がみられるか注目したい。

 5月のシカゴ購買部協会景気指数では、雇用指数が悪化したものの価格指数は2022年5月以来の高水準まで上昇した。6月分では、原油価格下落の影響が価格指数に表れるかを見極める必要があるだろう。

 また、5月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数(予想727.5万件)も発表される。市場の関心は物価関連指標に向かいやすいものの、予想を大幅に上回る結果となれば、米労働市場の底堅さが改めて意識され、ドル買いを後押しする可能性がある。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処は163.08円(1986/12/23高値)

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処は161.23円(日足一目均衡表・転換線)


(山下)
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